秘密
カタカナと三点リーダが多いです。
咄嗟に隠れて反応を窺う。
ん?何で隠れる必要があるんだ?
別に普通に接すればいいだけの話じゃないか?
どうやって話しかけようか考えていたらうずくまってしまった。
よく見ると翼が小刻みに振動している。
「大丈夫か!?」
声を聞き、こちらに反応して睨み付けるその顔はどう考えても子供の顔ではなかった。
「な!?」
顔には太い血脈のようなものが浮かび上がっている。
翼は広げれば二メートルは超えるほどに成長していた。
明らかに普通じゃない。
「誰…?見たの…?」
怯えているのか?話は通じそうだ。よし。
「初めてそうなったのか?体調はどうだ?」
「う…うぅ。」
「大丈夫だ。俺が話を聞く。俺に出来ることならするよ。」
「だめ、コナイ…で…ョ。」
窓を開けて飛び出そうとしている。
「待て!」
そのまま飛び去ってしまった。
どうする?追いかけるか…?
見た感じ初めてじゃないみたいだから、心配しなくても良さそうだけど…。
いや、このまま考えていたら見失ってしまう。
追いかけながら考えるとしよう。
近くにあった森を通り過ぎるくらいには遠くに来た。
あっちが気付いているかはわからないが今のところはただ飛んでるだけでおかしな行動はしていない。
…まあ空飛んでる時点で普通の行動ではないんだけど。
にしても、石がなくなりそうだ。
異世界物とかだと四次元ポケットー、みたいなものがあるよな。
この世界にはないんだろうか。
地味に重いし、何より持ち運べる総数にも限界がある。
そして何より探すのが面倒くさい。
丁度いい大きさの石ってあんまりないんだよなぁ。
砂粒でやってみたらどうだろ!?とか思ったけどやってみたら投げた後に全然見えなかったんだよな。
てか、検証しないといけないことが多いんだよな。
この世界に来てから一ヶ月以上経ったけど未だに調べきれていないことが多すぎる。
まあかなり特殊な能力みたいだから、人目を避けてしないといけないってのもネックなんだけどね。
ん?高度を下げてきているのか?
近くに湖が見える。彼女の様子を見てみると変化は止まったようだ。
しかし、どちらかと言うと人としての姿よりも竜としての姿の方が色濃く出ている。
まあ話してみよう。話はそれからだ。
「わかるか?今日から孤児院に来たレオンだ。」
「ツイテ…たのぉ?」
「すまん。勝手についてきたのは悪かった。でも心配だったんだ。信じてくれ。」
少し近づいてみると身長も俺と同じくらいになってることがわかる。
なんだ?獣人だと普通にあることなのか?でもそんな話一度もロズフルから聞いたことないぞ?
「余計なお世話かもしれないけど聞きたいことがあるんだ。ゆっくりでいい。教えてくれないか?」
「…」
肯定ととらえよう。
「これが初めてなのか?それとも前から…。」
「マエかラ…?」
やはりどこかおかしい。イントネーションも違うし、目もこちらをしっかりと見てこない。
「もし、前からだったらずっと悩んでいたのか?だから、こんな隠れるようなことを?」
沈黙が続いたが待っていたら話してくれた。
「ダってコンナ…ホンとにドラゴンにナッタみタイデ…。
みんなコワがっチャウ。」
「俺は大丈夫だ。それに皆に話したらわかってくれる。俺がわからせる!」
「それだケジャナクて…コワ、したく、ナる…。スベテヲ…コワス。」
目の色が綺麗な黄色から赤色になっていく。
「落ち着け!」
いつのまにか生えていた尻尾で攻撃してくる。
「っ!」
グランリザードとは質量も大きさも段違いに低い。
それなのに早さが桁違いに早い。
距離をとらなければ…。
とりあえず上空に避難。
石の数がもう数えられる程度しかない。
直ぐに元に戻ってくれないとこっちがやられる…。
翼をはためかせ上空に上がってきた。さっきまでの飛行は本気ではなかったみたいだ。
石が残り二つだ。
拾おうにも拾わせてくれない。
しかも空で戦っても完全にあっちの独壇場だ。
逃げるか?でも逃げ切れなかったら本当につみだ。
…。
少しのケガは覚悟してもらうしかないみたいだな。
「"閃光"を!」
この声は…。言われた通りに発動させる。
「"閃光"!」
瞼を閉じても感じるくらいの突然の激しい光りに動揺しているようだ。
そこを制圧したのは…。
「助かったよ、ノヴァ。」
俺をいつも助けてくれる少女だった。
お待たせしてすみません。
やっぱり一週間に二回は更新したいですね。
あと短編集投稿してみます。
タイトルも決めました。
まあストックが無さすぎるんでもっとネタを考えてからですかね。
読んでいただき有り難うございました!
評価等よろしくお願いします!