両翼
「っておい!付いてくるなって言っただろ!?」
言うことを聞かないこともあるのか!?どんだけ人間っぽいんだよ!
「マスターの安全を守るのが最優先事項です、ってガイアが言ってた。」
有り難いけどさー。まさか働いてるところにまで来るなんて。
「このお姉ちゃん誰ー?」
「兄ちゃんの彼女だー!」
「そんなんじゃないですよー!」
あーもう収集がつかなくなる…。
「何の騒ぎですか!」
騒いでいたからかアキラさんが来てしまった。
「あ、ギルドの紹介でここで働くことになりました。よろしくお願いします。」
「また突然ですね…。マザーとは会いましたか?」
「マザー?ですか?お年を召した女性には挨拶しましたが。」
「なら私に言えることはありません。よろしくお願いします。」
あっさりしてんな!
子供の世話はノヴァに任せて俺はアキラさんのところに話をしに行った。
「すみません!俺の仲間が勝手なことをしてしまって。」
「いや、良いんですよ。マザーが良いと言ったんですから。」
そう言えばそんなことを聞いていたな。
「何でですか?」
「あの人は長年色んな人と関わったみたいですからね。何となく悪い人とか分かるそうですよ。それにギルドからの紹介みたいなので安心出来ますしね。」
人じゃないんだよなぁ。
「次は私と遊ぼー。」
「さっき変わってもらったばっかりだろー!」
「ま、待って…。」
戻ってみると、上手くやってるみたいだ。
…振り回されてるだけじゃないといいけど。
でも疲れてるように見えるな。いつもより動きが悪い。まあ連続で2日以上働いてるからな。
どんなものにも休息は必要だろう。
「ノヴァ!ちょっと来い!」
「は、はい!待っててね。」
駆け寄って来るノヴァと一緒に部屋から出る。
「あとは俺がするよ。」
「いや!手伝うよ。」
「我が儘言うなよ。気付いてんだぞ?さっきから動きが悪くなってる。ずっと動きっぱなしだったからな。無理もない、休んでろ。また後でたくさんお願いするから。」
キョトンとした顔をしている。もしかしたらこんなことを言われたのは初めてなのかもしれない。
「疲れなんてないって言わなかったっけ?動きが悪く見えたのは力を大幅に制御している副作用だと思う。少しでも調整を失敗したらグシャ!だから。」
なるほどね。言ってることは怖いが納得は出来た。
「でも流石です!動きもそんなに変わってないはずなのにわかるなんて。」
まあ命懸けの戦いを何回かしてきたからね。
たまにはこんな感じで羽を伸ばしてもいいのかもしれないな。
「二人とも早く来てよー!夕食の時間になっちゃうよー!」
やはり経済状況はあまりよくないようだ。夕食も多くはなかった。
この仕事が終わってもここに時々通って寄付とかしなければ。
夕食を食べ終えた俺は子供たちと同じ部屋で寝ることになった。
もしものことがあるかもしれないから、一人は大人が一緒に寝るらしい。
無事皆が寝るのを確認してから寝ようとしたが、不意に何かが動く気配を感じたので飛び起きる。
一人起きていったみたいだ。様子を見に行かなければ。
えっと、誰だ…?
探しに行った先で見つけたのは月明かりに翼を照らす少女だった。
ただでさえ低い質をこれ以上落とさないためにもう少しだけ更新頻度遅くします。
代わりにもう少し長くなると思いますし、一週間に一回は最低でもしますので。
読んでいただき有り難うございました!
評価等よろしくお願いします!