村長
今回かなり短いです。
絶望にうちひしがれること三分、やっと自分の世界に戻ってこれた俺は改めて自分のステータスを見てみることにした。
一番上には二つのバーと数値があった。どちらも少しだけ減少しているようだった。
「もう私もHPとMPって呼ぶね。そっちの方が分かりやすいし。で、その二つは自然回復していくわ。」
「他に回復する手段はないのか?」
「私も詳しく知らないけど回復薬があるみたいね。」
ますますゲームだな。
「飲むタイプと直接かけるタイプがあるみたいね。MP回復には飲むタイプしかないみたいだけど。」
「それってどういう原料つかってんだろうな。」
「薬草よ。さっき私達も採取に行ってたやつよ。」
「おーい!」
ジョートか。
「レオン。すまない。村長に話をしたら取り敢えず連れて来いって言われたんだわ。俺と一緒に来てくれないか?」
村長か。
「わかった。じゃあ、またあとで話聞かせてくれよ。梨花。」
「あとリカ!カナンに話を通してもらっていいか?辛い役になると思うが頼む。」
「わかった。カナンちゃんお兄ちゃんのこと好きだったもんね。私から伝えておくよ。」
なんか……本当にこれで良かったんだろうか。
「よし、あんまし待たせても悪い。早く行くぞ。」
それから村の中を見て回りながら、村長の家に向かった。子供も走り回っていたので、過疎してる訳じゃなさそうだった。
「村長!レオン連れてきたぜ!」
「おお、悪かったな。ジョート。」
そこにいたのは、村長というより長老という風貌の男だった。
「レオン。わしのことは覚えておるか?」
首を横に振る。
「そうか、まあゆっくり思い出せばいい。わし達は思い出す手助けをしていくからな。」
「ありがとうございます。」
「ほっほ。レオンが敬語を使うなんてな。悪ガキのお主たちが。ジョートも敬語を覚えた方がいいぞ。」
「俺はいいんだよ。それより、どうやって思い出させるよ。正直俺全く思い付かないぜ!」
威張ってどうすんだよ。
「威張ってどうするんじゃ。衝撃を与える方法もあるが、まあゆっくり思い出していくのがいいだろ。」
どんなに皆が頑張ってくれても……もう思い出すことはないんだけどな……。
「……ジョート。他の人にも話しておいてやってくれないか?事情を知ってるか知ってないかで、対応も変わって来るだろう。」
「ああ、わかったぜ!」
ジョートが家から出ていく。
「さて、レオン。私はお前がお前ではない気がする。」
!? マジかよ、何でだ!
「わしはお前に敬語を教えてないし村のものは大概敬語を知らない。それなのに何で、お前は知ってるんじゃろな。」
「……俺にも分かりませんよ。」
「まあそうじゃろうな。他にもあるぞ。レオンには特徴的なクセがあってな。まあ言わんが、そういうクセは体に染み込んでいるもの。剣術でも同じようにな。そういうものは例え記憶を失っても失われないものじゃ。」
このじいさん。人の事をよく見てるんだな。
「まあいいんじゃ。わしの思い間違いの方が可能性も高いしの。一緒に思い出していけばいいんじゃ。」
この人……いい人っぽいな。
「はい。よろしくお願いします。」
俺はお辞儀をして、村長の家から出ていった。
「予言……か。これも運命なのかもしれないな。」
村長の独り言が誰かに聞かれることはなかった。
長くしようと思うのにむしろ短くなった…。
次は新ヒロイン出すんでよろしくお願いします!
読んでいただき有り難う御座いました!
評価等お願いします!
追記 投稿後、少し改稿しました。