第三
「ここがアイスリーです。」
特に何事もなく一晩野宿をしてから町に辿り着くことが出来た。
暇だったから、いろんな話をして、親交が深まったと思う。
その話の中にはいくつも有能な情報があった。
ガイアにも学習能力が備わっているがノヴァほど吸収力は高くないこと、他の八体の姉妹のこと、アネクトと俺の年齢が五歳しか変わってないこと、ロズフルは俺と同じ年齢だということ、ロズフルの好物は最初の夜に出してくれたシチューということ…。
最後の方は関係なかったが、何よりも驚いたのはロズフルの使える魔法で植物を利用して攻撃することができるものがあるそうだ。
さすがファンタジーだぜ!
「じゃあ、どうするかな?」
やりたいことを羅列すると、
・具体的な帰る手段を確保する。
・今日、泊まる場所を確保する。
・自身の強化
この中で一番優先度が高いのは二つ目だろうな。
衣食住がなかったから、生活も出来ないしね。
最終手段として野宿もあるけど、折角町に来てるんだからゆっくりしたいものだ。
ていうか、使うお金は同じでいいんだろうか?
大陸を越えても貿易してるって言うし、大丈夫だと思うけど。
因みにヒマライ大陸では銅貨、銀貨、金貨、白金貨を用いられていた。
「なあ、ガイア?こっちでもヒマライ大陸の金が使えるのか?」
同じだったらミカから少しは貰っているから、当分は必要ないが…。
「違います。アマライ大陸の貨幣は歴代の獣王が刻印されているものです。」
大丈夫じゃありませんでした。
「ロズフル。金は勿論持ってるよな?ちゃんと返すから立て替えてくれないか?」
「ご、ごめん!僕は自給自足だったから、お金持ってないんだ。」
てことは…。
「一文なしだね。」
一文とかよく知ってるね!
ノヴァは博識だ!
はぁ…。
どうやら、追加で金銭の確保をしないといけなくなったみたいだ。
「それでは、ギルド、に行ってみてはいかがでしょうか?」
ギルドって、あのギルドか!?
やっぱどの異世界にもあるもんだな。
「魔獣の多さでは恐らく三大陸で最も多いアマライ大陸は"冒険者"と呼ばれる物達が職業として多くいるようです。その冒険者に仕事を斡旋し、報酬の手続きや管理などをしてくれる場所のようですね。」
なるほど。格好いいな。
「それでどんな仕事をするんだろうな?」
「魔獣の討伐や部位の採取、宝物の獲得なんかもあるそうですね。」
ロマンがあるな!それするか!
「他には雑用や使い走り、運搬や廃墟の片付けなどその活躍は多岐にわたるようです。」
…何でも屋ってことで認識しときます。
「まあ直ぐに金を稼ぐ手段も他に思い付かないし、この町のギルドに行ってみるとするか。」
「そうですね。任務を達成したと確認されたら直ぐに報酬は貰えるようですし。私達は一人一人が強いですから、一度に沢山挑むことも出来るでしょう。」
「行ってみないことにはわかんないよね。今依頼が来てるかもわかんないわけだし。」
依頼が来てるってことは困ってる人が居るってことだ。
申し訳ないが困ってる人が居ることを願うばかりだ。
「じゃあ、全員がギルドに向かうってことでいいんだよな?」
皆が頷いてくれた。
「早速行くとしよう。少し待っててくれないか?」
「いいけど何するの?」
「まあ待っててくれよ。」
三人を置いていく。
「すみませーん。聞きたいことがあるんですけど。」
どうせ誰も場所なんて知らないんだから。
次回「来るテンプレ!?美人な受付とやたら絡む人達」
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