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未来石と神の使徒  作者: コタツ
四章 明るいその場所で
53/73

高速

戦闘を続けろ、って言われてるけどギリギリの戦闘をするつもりなんて全くない。

てか、精神力が足りない。

だから…。

グランリザードの後ろに向かって石を投げる。

"相転移"!

相手の背後に回り込む。

突然目の前から敵対する存在が消えて驚いた様子のグランリザード。

…もしかしたら餌と思われていたかもしれないけど。

石を後頭部に投げつける。

こちらに気づいたグランリザードが振り向くと同時に"相転移"して顔面に回し蹴りをいれる。

空中に浮いてるから不安定ながらも何とか入った。

これはスキル習得まではいかなかったが、ミカとの特訓で練習していた技だ。

苦しみながら息を吸い込む動作をしている。

よく見てみたら喉に袋みたいなものがあり、そこが少し光り始めていた。

ファイアブレスが来るのか?

よくわからないから喉元に相転移して、蹴りつける。

「グルァッ!?」

光りが消える。

うーん。この世界でも強い方、と言われても純粋な攻撃力は高くないからなー。

物語の主人公とかだったら、一撃で仕留めてるくせに、クッ、強敵だった…なんてほざくんだから。

俺とかずっと命の危機と隣り合わせだよ。

コソコソ相手の攻撃を避けて、チョコチョコ削ることしか出来ない…。

もっと格好いい技とか魔法とか使いたいー!


と思ったので効くか分からないけど火魔法を使うことにした。

「召喚!フェニックス!」

強そうな名前と共に出てきたのは体長一メートルあるかないかくらいの鳥。

「キェー。」

…。

大丈夫。これから強くなっていく。泣いてなんてない。

とはいっても、能力習得もしないとこれ以上強くなっていかないからな。

あれ?俺本当に強いの?

そんなことを考えていたらフェニックスがグランリザードの目をつついて、気をそらしてくれていた。

いままで俺がした攻撃よりも苦しんでる。

「グガァアアアッッ!?」

やる気が削がれる…。


適当に攻撃を避けていたら、振り回した尻尾に当たったフェニックスが消滅した。

有り難う。君のことは忘れない。

また呼ぶと思うけど。

「いい加減ファイアブレスを出させないとな。」

今まではグランリザードの真っ正面に立たないようにしたり、ファイアブレスをするような行動をする直前に喉元を蹴って阻止していた。

もう喉はボロボロだし、これ以上してたらファイアブレスが出来なくなるかもしれない。

わざと正面で止まってみる。

喉の袋が再び光り出すも最初に比べるとかなり弱々しい。

なんか申し訳ない気持ちになる。

そんなことより、対処しなければ。

出来る限り全方向に向かって石を投げる。

どれくらいの威力かわからないが、構えすぎて損ってことはないだろう。

にしても、タメ長くね?

ずっと石を投げ続けてるんだけども。

「…あぶない。」

目の前の景色が歪んだ。

「へ?」

直後、全身に強烈なGを感じた、と同時に爆音と熱気が襲ってきた。

そこら辺に転がされた後も吐き気がする。

辛い…。

目をあげるとさっきまで俺がいたところは蒸発してるみたいに煙が出ていた。

「へ?」

「あれくらいまほうじんこうせいがながいときょうれつなまほうがとんでくる、とまなんだ。」

俺を助けてくれたのはノヴァだった。

「だいじょうぶ?レオンおにいちゃん。」

「助かったよ。有り難う。」

実際、投げていた石の殆どがなくなっていた。

吹き飛んだのか、消し炭にでもなったか…。


「あとはまかせて。もうほとんどこのこたいからえられるデータはない。」

「任せた。正直動けん。」

俺、ジェットコースター得意だと思ってたけど、あれは安全に考慮した上のものだもんな…。

もうあんな経験したくないと思ったと同時にノヴァはあれに耐えられたのかと思うと背筋がゾッとする。

あれをもろにくらって動けるのか…。

グランリザードは動きが明らかに遅くなっていた。

もしかしたら、さっきのファイアブレスは最後の力を振り絞ったものだったのかもしれない。

尻尾を振り回そうとしたグランリザードに対して、手を変形させたノヴァは根元から尻尾を断ち切っている。

グランリザードの大振りな攻撃をかわし続けたノヴァは手に持った両手剣を最後に喉に突き立てた。


「レオンおにいちゃん。おつかれさま。」

「ノヴァこそお疲れ。何かデータは集めれた?」

「はい。先程は下手に傷をつけないよう使いませんでしたが、ファイアブレスを放つことが出来ます。また、グランリザードの先の動きを86.4%の確率で予測出来ます。」

…。

チートすぎるだろ!?


帰りは俺がグランリザードの尻尾を持って、ノヴァが本体を持って帰った。

流石に荷物が大きかったので、帰りは遅くなってしまった。

…主に俺のせいだが。

ノヴァはスタスタ歩いて行ったが、俺と言えば尻尾をズルズル引っ張りながらでしか持ち帰ることが出来なかった。


俺は相転移が使えるから影響はないが、もし高速で動こうと思ったらいろいろ問題が生まれてくるんだろう。

人類が光速を越える日が来るのは遠いだろう。

その片鱗をさっき見せてもらったがもうあんな体験はしたくないと思った。

本当に自分が強いのか疑問に思う回です。

回りが強すぎるだけなんですけどね。

ノヴァの話し方がコロコロ変わるのは仕様です。

他のキャラも変わってるように見えるかもしれませんが。


読んでいただき有り難うございました!

評価等よろしくお願いします!

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