材料
「ってことで、ロズフルも俺達と一緒に来ることになった。」
「では、製作に入るということでよろしいのでしょうか?」
「よろしく。」
どんなのが出来るのか楽しみだ。
作業してるところも見ておきたい。
「では、急いで作るか、ゆっくり作るか決めていただいてよろしいでしょうか?」
「?そりゃ急いでもらった方が有り難いけど何でそんなこと聞くんだ?」
もしかして、ここに長くいた方がいいことでもあるのか?
「先程申し上げましたように材料が足りないものがあります。そこでその材料集めも私がするかで進行速度に大きな違いが生まれますので。」
なるほど。早く完成させたいなら材料は俺がとってこいと。
「もし取りにいってくださるのでしたら私がその間に基礎を作れますので。」
作っているところを見たいと思ったがまあいいか。
また別の機会に見せてもらうとしよう。
「わかった。じゃあ、俺が取りに行くよ。」
「それで何を取りに行けばいいんだ?」
何かの生物から剥ぎ取る、とかは嫌だな。
「はい。グランリザードの鱗を取りに行っていただけないでしょうか。」
グランリザードって、強そうな名前だな。
「どういうやつなんだ?あと、ここの近くに居るんだろうな?」
「生態は体長約四メートル。重さは約二百五十キログラムですね。気を付けるべきはファイアブレスと言われていますが個人的には後ろの尻尾を振り回してくる攻撃も厄介だと思います。」
こういうことを教えてもらえると助かるな。初見で戦わされるよりも事前に情報をもらうことでイメージしやすいし、驚かなくてもいい。
「まあマスターの戦闘能力なら敵ではないと思われますが、生息範囲が広いので一般的には初心者殺しとして脅威と見なされております。くれぐれも油断なさらないように。」
「了解。生息範囲が広いってことはここの近くにもいるよな。」
「そういうことですね。正確な場所はロズフル様に確認なさってください。」
じゃあ、早速行ってくるかね。
「あとノヴァを連れていってください。新しい知識を得ることができるかもしれませんので。」
「わかった。」
「じゃあ、ノヴァ。行くとするか。」
「うん。」
ロズフルに話を聞いたら土地から出て東に向かうと三キロくらいの所にいることがあるらしい。
まあその土地から出る方が時間かかるんですけどね。
「マスター。すこしいそいだほうがいい。かえりはそざいをもってかえらないといけないよ?」
そうなのだ。ガイアからは鱗だけでいいと言われたのだが、ロズフルからは肉も持ってくるように頼まれた。
俺には剥ぎ取りの技術や必要部位の知識なんてないから、そのまま持って帰ってロズフルに頼むことになるんだろうけど…。
さっき重さ二百五十キログラムって言ってたよね…。
いったいどうすればいいって言うんだ。
まあ実物を見てみないと何とも言えないし、もしかしたら少しは小さいかもしれないからな。
「じゃあ、ちょっと急ぐことにするか。ノヴァ。」
あれー?おかしいなー?
ちょっとって言ったつもりなのに全力疾走しないと追い付けないんですけど?
こんなところでも差があるのか。
この体も前の体に比べたら早いんだけどなー。
「やっとぬけれた。」
「広すぎるだろ…。」
そしてその全力疾走してるのに一時間もかかった。
どんだけだよ…。もし持久力が上がってなかったら戻るの日が上がる頃になるんじゃないの?
まあここからは三キロだからすぐだろ。
まだ三キロも進んでないはずなのに、四足歩行の生物にあった。
あれがグランリザードかな?
一歩外に出たら植物の量は激減した、と言うよりなくなった。
代わりに生物がチラホラ見えてきたけど小さいのばっかりで過酷な環境であることがわかる。
「あれがグランリザードか?」
「うん。そうみたい。」
じゃあさっさと終わらせようかな。
「レオンおにいちゃん。お願いがあるんだけど戦いを長引かせてくれないかな?」
「それはデータ収集に関わるからか?」
「うん。多分レオンおにいちゃんは一瞬で終わらせようとしたでしょ?」
早く終わらせるなら奇襲に限るよね!
「とくにファイアブレスだけはしにんしたい。」
じゃあ真っ正面からやることにするか。
「ノヴァは遠くから見ているのか?」
学習ってくらいだから見て覚えるのかな?
「さいしょはとおくからみる。
とちゅうからたたかいにさんかするかも。」
「まあ行ってくるわ。」
少し近づいたらあっちも俺に気づいたみたいだ。
俺とグランリザードの視線がぶつかる。
俺達の戦いはこれからだ!
次回作にご期待ください(嘘
材料扱いされるグランリザードさんが可哀想。
これからは更進時間がバラバラになると思います。
基本的に夜だと思いますが。
読んでいただき有り難うございました!
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