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未来石と神の使徒  作者: コタツ
四章 明るいその場所で
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植物

「お、おい…。ロズフル?」

暗くてロズフルが何をやっているのかわからない。

「ひゃあっ。」

「あ、悪い。突然声をかけちゃって。」

「いや別にいいけど、どうしてここに来れたの?」

「ちゃんと散歩してたら迷子になってな…。こんなところで何をやってたんだ?」

見たところ何かに水をあげてるみたいだが。

「レオンは植物が育つのに何が必要か知ってる?」

「えっと、確か水と空気と適温だったっけ?」

「それは発芽の条件。育つのに必要なのは温度と水と光だね。」

「そうだったな。それがどうかしたのか?」

「この菜園って大きな木ばっかりで全然明るくないじゃん?」

それはまあ気づいていた。だからこそ、どうやって育ててるのか疑問だったんだが。

「そうだな。だから、野菜とかどうやって育ててるのかなーって。」

「それを可能にしたのがこの施設!何と魔法を利用してこの建物の中には自動で光が差すのです!」

へー。

「あれ?反応悪いね。もっと凄げー!とか信じられない!とかそういう反応が欲しかったよ。」

「いや、凄いとは思うんだけど実際に見てないし、もっと管理をちゃんとしたら必要なくね?」

「むー。そんな言うなら見せてあげるからあと少し待っときなよ。それを見たら一緒に帰って朝食食べよ。」

「わかった。」


「なあ?ずっと光を当ててるのは駄目なのか?そっちの方が早く育ちそうだけど。」

「うーん?試したことないけどもし、そうだったとしてもする気はないよ。出来る限り自然な形で成長してほしいからね。だから、時間を決めて光をあててるしね。」

「やってみてもいいんじゃないか?」

「…気を悪くさせたらごめんね。言わせてもらうけど人の都合で生き物や植物に迷惑をかけたり、負担をかけるようなことはしたくないんだ。手助けはしてあげたいけどね。」

「そ、そうか。ごめん。」

「ここは自然でいっぱいだけど、一歩私の土地から出たら、殆ど植物なんてないんだよ。それだけ厳しい土地でさ。もしかしたらアネクト兄さんも憧れてヒマライ大陸に行ったのかもね。」


「そろそろだと思うよ!瞬きすらしないようにね!」

「いや、無理だろ。」

ピカッ

「眩しっ。」

「あはは。凄いでしょ!」

「確かに…凄いかも。」

電球とか白熱灯とかそういう感じの光じゃなくて、太陽の光みたいな…なんて言えばいいんだろうか。

「人工的な光だけどね。でも、少しでも本物に近づけたいと思って頑張ったんだ。」

その努力は無駄じゃないみたいだ。心なしかロズフルは喜んでるように見えたから。


「ところでさ…。レオンはずっとこの家に居てくれる…なんてことないよね?」

家に帰る途中で聞かれてしまった。

「ごめんな。俺も合流したい人が、また会いたい人がいるからさ。」

「そうだよね…。ごめんね!なんかこんなこと聞いちゃって。」

「いや、いいん…。」

その時、ふと名案が浮かんだ!

「じゃあさ。ロズフルもついてこないか?きっと楽しいと思うぞ?」

戦力も増えるしね!強いか知らないけど。

「その誘いは有りがたいんだけどね。お断りします。」

「理由を聞かせてくれないか?」

「管理人の居ない菜園なんてある?」

そっすよね…。


「マスター!勝手に何処かへ行かれては困ります!私たちにはマスターを守る義務があるのですから。」

「悪かったよ。でも、大丈夫だからさ。」

家についたらガイアに怒られた。

「かってにどっかいったらだめ。」

あとノヴァにも。

「ごめんな。」

「いいよ。」

「全く、何処へ行かれていたのでしょう?」

「ああ。ここら辺をちょっとな。少し迷子になったけど帰ってこれたから大丈夫だ。」

「全然大丈夫じゃないじゃないですか。戦闘状態や警備中じゃないとあまり感知出来ないんですからね。」

「だって朝早かったしさ…。」

「私たちには時間なんて関係ありませんから…。」

そうだったね。


「うーん。折角だからロズフルにも来てほしいんだけどなー。」

朝食も見覚えのある美味しい料理だった。こんな料理これからも食べたいなー。

フレンチトーストだったが美味しかった。そう言えば和食とかあるんだろうか。

「何の話しでしょうか?」

「ガイアか。」

いつのまにか後ろに立っていたガイアに独り言を聞かれていたらしい。

「いや、それがな。もう少しここにお世話になったら、出ていく訳じゃん。」

「はい。そうですね。」

「そこでロズフルにもついてきてくれたら良かったのになー、って。」

「何故断られたのですか?」

「ん?えっと、この植物を管理する人がいなくなるって。」

「それなら解決できますよ?」

えっ!?どうやって!?

「私は最初に作られた個体で妹達の作られる過程を見ています。ですので、それの劣化でよろしいのなら…。」

「いや!頼む!それで!」

「わかりました。では、マスターから指示があったら取り組みます。」

「え?今すぐしてよ。」

「ロズフル様に許可をとってからですよね?部品もありませんしね。」

「はい…。」

完全に胃袋を掴まれていますね。


読んでいただき有り難うございました!

評価等よろしくお願いします!

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