情報
やはり彼女は羽宮梨花だった。
突然抱きつかれてびっくりしたが、聞いてみたら1ヶ月前にこの世界に来ていたらしい。言葉は通じても常識が通じないこの世界でもう皆に会えないと思うと寂しかったそうだ。神のいた世界とこの世界の時間の流れが違うってのはおかしくないと思うがそれも教えてくれなかったな、あの人は。ちょっと説明不足すぎませんかね。
「でもよかった。翔くんで。他の男子だったら気軽に話せなかったもん。」
「翔は止めよう。レオンで頼む。俺も梨花って呼ぶよ。」
「そうだね。わかった。ところで私とこの世界に来たのはかなり時間差があるよね?何か思い当たることはある?」
「ああ、俺はこの世界の管理者?とやらに会っていた。頼み事を頼まれてな。」
「その頼み事って何なの?」
「それが詳しく教えてもらってないんだよな。随時教えると言っていたんだけどな。」
「それ大丈夫?レオン君あんまりこの世界についても知らなかったでしょ?何も知らないってことは何を言われても信じるしかないって事だからね。」
「確かにおかしいなって思う所はあったよ。でも、彼女本気でこの世界を守りたかったみたいだからな。俺も手伝いたくなったんだ。」
「そっか。レオン君がそう言うなら……でも、疑うことを忘れないでね。」
「わかった。梨花の言うことはいつも正しかったもんな。ところで、聞きたいことはまだあるんだ。魔法のことについて何だが……」
「そうだね。あっちの世界には無いものだったからね。」
魔法って聞いただけでワクワクするよな。
「この世界、エルシアにはマナっていう粒子?みたいなものが存在するらしいよ。まああっちの世界でも見つけられなかっただけであったかもしれないね。この世界の技術はあっちの世界より発展してないけど、そう言うなら魔術とか、魔法とか、そういうものに関してはこっちの世界の方が発展しているみたいだね。」
確かに宇宙人や幽霊がいないなんて断言できないよな。確認できてないだけかもしれないし。こういうの何て言うんだっけ?悪魔の証明だったかな?
「それでね。その魔法ってのがマナを使って起こせるみたいなんだけど、そのマナを扱える総量は個人差があってね。」
ふーん。
「簡単な魔法だったら使うマナの数が少ないんだけど、難しい魔法になると、莫大なマナを使うんだ。」
ほーん。
「そして、その個人が操れる量が数値化されるスキルがあるんだ。」
マジで!?それってまさか……まさかMPってやつじゃね!?異世界スゲー!
「他にもこの魔法で分かる自分の情報は、自分が使えるスキルこれは教わったり、反復練習したりして得ることができるらしいね。」
早く使いてー。
「そして、魔法。これもスキルと似たようなものだね。」
早く使いてぇ。
「他にも情報が見れるんだけど、多分一番大事な情報。この世界はどんなに小さなケガや痛みでも積み重なったら命の危険らしいよ。その体力を数値化した値も見ることが出来るんだ。これは命に関わる事だから絶対確認してね。あとその数値が減少するとパフォーマンスにも影響がでちゃうらしいね。魔法も一緒。その値が減少すると頭痛や吐き気なんかが起きちゃうらしいね。これが0になっても死ぬことはないんだけど、かなり苦しいらしいね。それこそ死にたくなるくらい。だからこの二つは絶対この場で確認してね。」
「分かった。分かった。早く教えてくれよ」
「もうっ!ちゃんと話聞いてたの?まあ、私もいるし、待ちきれないみたいだから、そのスキルの使い方を教えるね。」
「分かった!」
「魔法とかスキルを使うときはその名前を言わないといけなくて、そのスキル名は"ステータスオープン"なんだ。唱えてみて?」
「"ステータスオープン"」
うおっ!びっくりしたぁ!
突然石板みたいなのが出てきてびっくりしたぜ。これが俺のステータスってことでいいのかな?どれどれ?……ん?
「このスキルが凄いのが、いろんな自分の情報が手元にいつも出せて、それでいて自分だけしか見れないってことなんだよ!任意で他人に見せることもできるし!」
梨花が何か言っていたが俺はそんなことよりも重要な事を見つけてしまった。
確かにその石板には俺の様々な情報が書かれていた。職業の欄に神の使徒と書いてあったのにも驚いたが、それよりも大事な事が書かれてあったのだ。
神様のやってほしいことリスト♪
(これが出来たら未来石を1つ差し上げます。また、随時更新されていくので、確認を怠らないでください。)
・誰にも一週間以上私と会ったことを話さない(失敗)
・魔法を使ってみる()
・スキルを使ってみる(成功)
・魔獣を倒す()
・帝都に行く()
・未来石を使って力を得る()
「しまったぁぁーーー!」
2000前後から増えていかないぃ!
将来的には4000くらいにしたいなと思ってるんですけどね。
読んでいただき有り難う御座いました!
評価等してくださったら嬉しいです!