料理
「僕の作った料理を召し上がれー!」
皆で居間に集まると、ロズフルが料理を出してきた。
「どんな料理なんだ?」
かなり不安だ…。
だって、物語とか読んでるとこういうときに出てくる料理って人が食べるようなものじゃない場合が多いじゃん。
それこそ、食材を侮辱するような。
もし、そうでなかったとしても俺の体にあわない可能性もあるし…。
なんとか、回避出来ないだろうか。
「それは見てのお楽しみだよー!僕の数少ない趣味の一つだからねー。料理は自信があるんだー!」
やめてくれよ…。
フラグを建てながら、断りにくくしてくるのは…。
「実は俺あんま腹が減って…」
グゥゥーー。
「…。」
「…。」
「イタダキマス。」
「どうぞ!」
皿を覆っている布を取り払う。
「おおっ!」
普通に美味しそうだ。シチューだろうか?
盛り付けは素人目にしても上手だと思うし、様々な具材が用いられており、鮮やかながらも食欲が失われるような感じではない。
それに匂いもほのかに鼻の中に残る。
「ワイン煮込みのビーフシチューだよ。久々に誰かに振る舞うな♪」
「いただきます!」
大丈夫…だよな?
本当に大丈夫だった。
てか、マジで旨いな!
元の世界で食べた料理よりも俺好みの味だ。
「どうだった?」
「ああ、すげー旨いよ。ありがとう。」
何が違うんだろ?食材とかだよな?もしかしたら、調理の仕方とかも違うのかもな。
魔法があるから面白い方法が見つかったのかも。
まあ、俺も料理は少ししかしないから詳しくはないんでね。
それに今は料理を楽しみたいな。それくらい美味しい料理だった。
「ご馳走さま。美味しかったよ。」
「お粗末様です。」
「冗談抜きで今まで食べた料理で一番美味しかったかも。何か特別なことをしているのか?」
「特別なこと?何だろー。強いて言えば大事に育てた野菜を自分が使って、大事な人に美味しく食べて貰いたい、って思ったからかな?」
「大事に?」
「あ、いや、その、大事な人ってのは大事なお客さんって意味で深い意味はないからっ!」
「ん?そういうことじゃなくて、自分で育てた野菜を食べてるのか。」
「あれ?私の菜園をずっと通って来たんだよね?」
あれ、菜園なのかよ…。信じられない。
「って言っても野菜だけを育ててる訳じゃないから、正確には菜園じゃないけどね。」
ですよね…。
「出来ればさ。明日家の周りを案内してよ。広すぎるから迷子になりそうだし。」
「いいよ。じゃあ、明日ね。」
「ノヴァもたべたかったな…。」
次の日の朝、何か早く起きた俺は散歩していた。
「ここ、マジで迷子になるんじゃねーの?」
周りを見渡しても木、木、木!
「何処で野菜とか育ててるんだ?」
歩いても歩いても畑なんて見つからない。
そんなこんなしてたら迷子になった。ヤッタネ!
「何でだよ!何で私有地で迷子になるんだよ!」
広いってのはわかってたし、迷子になるかもー、なんて言ってたけどさ。
「まあ時間が経ちすぎたら二人が探しに来てくれるよな。」
だから、あんまり心配はしていない。心配させるのは悪いがもう少し散歩させてもらおう。
「ん?」
なんかいかにも怪しげな建物がある…。
覗いてやろ!
「あれ?ロズフル?」
そこにはロズフルがいた。
今回は2日あけてしまいすみませんでした。
これからは気を付けたいと思います。(またしたら本当にスミマセン。)
読んでいただき有り難うございました!
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