僕娘
僕っ娘のことですよ?
僕が娘じゃないです。
「僕?」
え?男?妹って言ったよね?
「僕は僕だけど?」
「非常に失礼ですが、女の人でいらっしゃいますよね?」
「本当に失礼だね!?そんなに胸育ってないかな?」
いや、まあよく見てみると膨らんでるけどさ…。
まあ大きくはないよね。てか、小さいよね。
てか、目の前で自分の胸を揉み始めるなよ。この人大丈夫かな?
まあ兄みたいに危ない人には見えないけど…。
「ところで、君達なんの用で来たのかな?」
「そっか、アネクト兄さんそんなことしてたんだ…。」
ここに来た事情とアネクト?が何をしていたのかを伝えた。
もしかしたら、伝えたことによって危害を加えてくるかな?と思ったが、伝えなかったらそれこそ不審者扱いされる。それにガイアとノヴァが一緒にいる理由も言うべきだった。
「そんなことをする人とは思ってなかったんだけどね。僕の兄が迷惑をかけたみたいだね。代わりに謝るよ。」
「いえ、ロズフルさんに謝ってもらうことはないですよ。」
「ごめんね!」
猫耳がピョコピョコ動く。
このロズフルさんにも猫耳や尻尾が生えていた。
「ロズフルさんはここで何をしてるんですか?」
まあ植物に関係することなんだろうけど。
「敬語なんかいいよ!いやー、久々にお客さんが来てくれて嬉しいからね!」
「そうか。で、何をしてるんだ?」
「いいね!そのコロッと態度を変える感じ!えっと、質問の答えとして、僕は植物が好きだなってずっと思っててね。
アネクト兄さんが何処かへ行ってしまったら此処には他に誰も住んでないから、好き勝手出来るなって思ったんだよ!」
「そっか…。」
親のこととかを聞くのは止めとこうか。
「で、近くに町とか村とかはないかな?野宿は避けたいなって思ったんだけど。」
「残念だけどこの近くにそういったものは全くないね。だから、久々にお客さんが来てくれたんだ。」
そっかー。どうするかな?
そうだ!こんなときこそガイアに聞こう。
「なあ、ガイア?ここら辺に安全そうなところはないか?」
「すみません、マスター。私達がここに来たのは初めてでして情報を集められていません。」
「そうか…。どうするかな。」
「何言ってるの?僕の家に泊まっていけばいいじゃん。」
正直その言葉を待っていた。
土地勘がない人が何人集まったところで意味はない。
それに最終的な目標は梨花とミカに合流することだが、それをするためには情報が必要だろう。
そのために是非ロズフルとは親しくしたい。
でも、あいつの妹だからな…。
話していて好感を持てるけどそれが絶対とも限らない。
と、言うことで…。
「嫌、それは悪いから俺達だけで、なんとかするよ。」
引きに引きまくって相手の本音を引き出すぞ大作戦だ!
「気にしないでよ!ここは広いからさ!使ってない部屋もあるんだからさ!」
「何か悪いからさ。」
「じゃあ、家事手伝ってよ!あまり使ってない部屋は掃除があんまり行き届いてなくてね…。」
「まあ、それは出来るんだけど…。ここって危ない植物とかいないの?巨大な食虫植物とか、危険な花粉を出す花とかさ。」
「僕がそんな危険な植物育てるわけないじゃん!安全な植物しか育ててないよ!」
「まだ会ったばかりなのにロズフルのこと知らないよ…。それに俺達には有害かもしれないからさ。」
「大丈夫だって。私が保証するよ!」
「実は俺花粉アレ「何でそんな意地悪するんだよー!」」
へ?
「久々にお客さんが来たから嬉しかったのそんな素っ気ない態度とってさ…。何か僕悪いことしたかな…。」
目に涙浮かべてる…。
「ご、ごめん!じゃあ、お言葉に甘えて少し泊めさせて貰おうかな。」
「約束だよ!」
「あ、ああ。」
「良かったのですか?あんな態度をとってしまわれて。」
部屋に通された後、ガイアが俺の部屋にやってきた。
「んー。まあちょっと確認したいことがあってさ。」
まさか、泣いちゃうとは思わなかったけど。
「マスターが何を心配なさってるか想像がつきますが恐らく大丈夫かと。」
「何でさ。」
「いつもアネクト様が言っておりました。妹はよく出来たいいやつで私に全く似てない、と。」
「は、はあ。」
信じられないことにあいつもちゃんと兄をやっていたのか。
前回バレンタインのことに触れるのを忘れていた…。
勿論今年も貰えませんでした!ヤッタネ
人生で女の子から貰った回数が数えきれるくらいってこんなに悲しいことだったんだ…。
読んでいただき有り難うございました!
評価等よろしくお願いします!