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未来石と神の使徒  作者: コタツ
四章 明るいその場所で
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姉妹

「おとうさん?」

「まあ別にお父さんじゃなくてもいいよ。お兄ちゃんでもいい。とにかく俺がノヴァとガイアの家族代わりになる。二人が望むならな。」

嫌だ!とか言わないでよ。

拒絶の言葉はオブラートに包んでくれ。

「いやなわけない。ありがと。マスター。」

なんだ。知らなかった。

二人には笑う機能もついていたんだな。

ずっと無表情だったからわからなかったよ。

あの化学者もいい仕事するな。


「じゃあ、マスターって言い方も変えるか。」

ずっと、思ってたけどむず痒い気持ちになる。

「じゃあ…。レオンおにいちゃんで!」

「んー?まあいいか。」

マスターなんて呼ばれているところを智や未来に見られたら確実にからかわれる。

…他にも突っ込む場所はたくさんあるし、妹でもない子にお兄ちゃんって呼ばれてる方がからかわれる気がするけど。

「よろしくね。レオンおにいちゃん。」


「交代の時間です。休んでいいですよ、ノヴァ。」

しばらくしてから、ガイアが戻ってきた。

「ううん。もうすこしレオンおにいちゃんとはなす。」

「そういうわけにはいきません。あなたが起きていると、マスターが眠れないのです。早く何処かへいって休んでおきなさい!」

「は、はい…。おやすみ、レオンおにいちゃん。」


「レオンお兄ちゃん、と呼ばせているのですか?」

ノヴァが何処かへ行ってから、ガイアが尋ねてきた。

「呼ばせている、って訳でもないけどな。ノヴァの家族代わりになってあげようと思って。」

子供にお兄ちゃんと呼ばせている変態と誤解されたくはない。

「…私は今まで通りマスターですか?」

「ん?」

何の話だ?

「私に家族はいないのでしょうか。」

いつも無表情なその顔が、今は残念そうな顔をしているように見えた。

「…そんなことない。」

今ガイアが考えていることを否定しないと。

「俺はガイアのことも家族だと思っているぞ?それにノヴァだってガイアにとったら妹みたいなもんじゃないか。」

見た目は同じだけど話し方とか立ち振舞いを見ているとどうしてもガイアの方がお姉ちゃんに見えるんだよな。

因みに二人の見た目は十四歳くらいだろうか。

「お姉ちゃん、ですか…。」

「どうした?」

正直ノヴァみたいに喜んでくれると思ったら、あまり嬉しそうにしていない。というより、考えことをしているようだ。

まあ、無表情なのだが。

「いえ…。残された八人の子達はどうなったのかと思いまして。」


「そうだな。大丈夫、俺の仲間達は優しいからきっと保護されているさ。」

言葉にしてみるとその可能性の低さを再確認させられた。

「ガイア達が危ない存在じゃないってわかってくれるさ。」

例え二人がわかってくれても他の人はわかってくれないだろう。

「きっとまた会える日が来るはずだ。」

それはあくまで希望的観測だった。

「マスター…。有り難うございます。」

「だから、今やるべきことをしよう。」

こんな風に言ってもわかってるんだ。

彼女はきっと俺が本当に考えてることに気づいてると。

それを踏まえた上で俺に感謝の言葉を伝えていることを。


「ところで、ガイアは俺のことを何て呼ぶ?」

耐えられなくなって俺から話を変えた。

「私はマスターのままでいいです。」

「気にするな。何でもいいぞ?あまり侮辱するのはなしな?」

ていうか、変えてもらった方が…。

「これがいいんです。表面的には私達は主従関係です。」

「そうだけども…。」

「私には伝わりました。マスターが私のことを本当に家族だって思ってくださってることを。」

あらら。ガイアはいつも無表情だな。でも、声のトーンがちょっと上がってるような。

「勿論だ。俺たちは家族だからな。」


「レオンおにいちゃーん!いもうとさまのいえをみつけたよ!」

ノヴァが帰ってきた早々に衝撃の情報を伝えてきた。

二人とも本当に有能だね!?

「ここから近いのか?」

「うん。さんじゅっぷんくらい。」

「どうなさいますか?マスター。今から向かいますか?」

「いや、やめとこう。」

もう深夜だ。今から行っても失礼だし、今まで危険なものに遭遇しなかっただけで何かしらいるかもしれない。夜行性の動物とかがいてもおかしくはない。

「了解。」

「りょうかい!」


その後、何もないまま、一夜を過ごすことが出来た。

寝心地は最悪。もし"怠惰"を持っていなかったら相当に疲れていただろう。

名前はあんまり良くないけど、便利なスキルであることにかわりはない。

「じゃあ、早速その妹様とやらの家に向かうか。」


「ここに住んでるのか…?」

そこに広がっていたのは…。

「完全に魔女の家じゃん!」

しかも、ヘンゼルとグレーテルに出てくるお菓子の家のお菓子が全て植物に侵食された感じ。

「なんて怪しい家なんだ…。」

どう考えてもこんな家に住んでるやつは普通じゃない。

今からでも、会わずにおさらばするか?と意見が浮上してきたとき。

「ロズフルさまー。いまいえにいますでしょうかー。」

ノヴァが既に呼んでいた。


「おい!ノヴァ!」

「駄目ですよ、ノヴァ。何か行動するときは事前にマスターの許可を得てからにしてください。」

そういう問題じゃな…いや、そうしてくれたら止めれたけどさ。

「だいじょうぶ。ロズフルさまはいいひと。」

俺にとってもいい人だといいけどね!

「久々だね!僕の家にお客さんがくるなんて!」

ん?僕?

ドアの方を振り返るとショートカットで八重歯が生えたいかにもスポーツをしてそうな元気な女の子がいた。

いつもとちょっと違う書き方をしてみた部分の評価が気になる…。

兄ならいるんですけど妹とか、姉は私にはいません。

なので、こんな感じであってるのかな?

あと、ロズフルさんはこの物語の中のヒロインでリアルにいたら一番私の好みのヒロインになる予感が…。


読んでいただき有り難うございました!

評価等よろしくお願いします!

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