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未来石と神の使徒  作者: コタツ
四章 明るいその場所で
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家族

Wikipedia参照

「なあ?これの何処が庭なんだ?」

どう考えても森か、ジャングルだろ…。

「住宅などの施設の敷地内に設けられた、建造物のない広場のことを庭と認識しております。」

いや、詳しくは知らないけどさ…。

ここ、見たこともないような植物がいっぱい生えてますよ?

妙に背が高いしさ…。これと同じ大きさのハエトリグサとかサラセニアがいたら、俺達食われるんじゃねーの?

勿論黙って食われるつもりはないが。

まあ、見たところ異常のある植物は見当たらないけどさ。

兄が兄なら妹も妹なのか?


「なあ…。歩いても歩いても植物なんだが。」

確かに景色は変わっている。可愛い花もあったし、色鮮やかな景色もあったよ?でも、生き物が一匹もいないし、木々に覆われているから日光が差さないんだよ…。

どうやってここの植物育ってんだよ!お得意の魔法かよ!

「すみません。ここの地理データは持っておりません。」

「仕方ない。今まで通りしらみ潰しにしよう。」

「…ごめん。」

「いや、いいよ。もし、二人と一緒に来ていなかったら、ここが何処かさえわからなかったんだから。」

実際はガイアだけ居れば良かったけど…。


「えー…。日が暮れるんじゃないか?」

ただでさえ、日光が地面に届いていなかったのに、どんどん薄暗くなってきた。

「野宿の経験なんてないぞ?」

この世界に来てから一ヶ月弱だが、一度も野宿をしたことがない。

それでいてまだ必要ないかな、と思っていたから気を付けないといけないこととか知らないんだけど…。

「マスター。もし、一晩をこの庭で過ごす予定でしたら大丈夫です。ここは安全管理が完璧です。」

「いやー…。そう言われてもね。」

確かに危険な生き物に遭遇したり、他人に会ったりは一度もしていない。というか、虫一匹いない。

どういうことだよ!意識すると風も殆ど吹いていないような…。

「もし、安心出来ないようでしたら、私達が一夜警護させていただきます。」

そうすると気になって俺が休めそうにないな。

「いや、それは俺が嫌だから皆で交代で行おう。睡眠不足は判断力を低下させるからな。」

「了解。」

「…りょうかい。」

よしよし。俺の言うことは何でも聞くようだな。

「私達に休息なんて必要ありませんが。」


完全に人として考えていたわ。

あくまでこの子達は人造人間なんだよな。

結局、完全に視界が奪われる前に開けた場所(といっても他より植物がないだけ)を探し出した。

テントとかそういうものも持っていないから、そこら辺で寝ることになる。

「なんかこういう体験するのも異世界ならではって感じだよな。」

「?どうかしたの?」

意味はわからないと思うけど、知られたところで別に利点もないから誤魔化しとこうか。

「いや、何でもないよ。」

「?」


「じゃあ、お休み。」

「お休みなさいませ。」

「…おやすみ。」

いつもより二時間も早い時間から眠りに就く。正直睡眠時間が三時間じゃ足りないからね。

…。

……。

「寝れるか!」

二時間も早く寝るなんて体が拒絶してる!

仕方ない。眠くなるまで起きておこう。


「ねたんじゃなかったの?」

「ああ。寝れなかったよ。ガイアは?」

「ガイアはまわりのでーたをあつめる、だって。」

「そっか。なら、眠くなるまで一緒に居ようか。」

「…うん。」


にしても、考えてしまうのは梨花とミカ、そして、この子達の姉妹だよな。

梨花とミカには待ち合わせ場所を何とか伝えられたから、大丈夫だと思うけど…。

また、トラブルに巻き込まれてなかったらいいな。

それにいつ戻れるか検討もつかない。ガイアに聞いたら、アマライ大陸の下の方だとか。

三大陸の位置関係は右上にアマライ。左上がデモライ。そして、下にヒマライだ。

下の方ってことだから、近いのかもしれない。

まあそこら辺はゆっくり考えていこう。


この子達の姉妹は…。破壊されるかもしれないな。俺だったらする。

残してメリットはあるが、デメリットが大きすぎる。

強すぎる力は便利だが、危険でもあるからな。しかも、造った人は得体が知れない…。

俺も二人と合流出来たら、ノヴァとガイアは…。

このことも今は考えなくていいか。

「ねえ。」


「ん?どうした?」

ノヴァから話しかけてきたのは初めてかもしれない。

「マスターのはなしをきかせて。」

それは俺のことを聞かせろってことか?俺に興味を持ってくれたのかな?

「俺のことか…。俺もノヴァのことを知りたいからお互いに話すとするか。」

「じょうほうのきょうゆうはだいじ。」

そういうことだよな。別に期待なんてしてなかったんだからね!


「なるほど。じゃあ、休息や補給が要らないのはマナを常時エネルギーに変えてるからか。」

「うん。」

ふーん。原理だけ聞くと簡単そうだけど、それを実行するとなると難しそうだな。

てか、目に見えないものをどうやって観測したんだよ。

それは前の世界の原子とかでも同じだけど。

「マスターも、とおいところからきた。」

「そうだな。歩いてこれるところじゃないし、どうやって来たのかもよくわからないんだ。」

「かえりたい?」

「…そうだね。普段親は居ないけど、急に居なくなったら心配するだろうから。」

それに別のクラスにも友達はいた。この世界でも知り合いは増えたけど、"まだ"元の世界の方が大事かな?

「…わたしにはわからない。」

親…は一応あいつになるんだろうな。でも、血の繋がりがあるわけでもないし、何処に居るかもわからないからな。

「わたしには、おやなんていない。」

…。

そっか。この子達に親なんて最初から居なかったんだ。

ただ自分を作り出した存在を親なんて言わないよな。

なら…。


「じゃあ、ノヴァ。俺がお父さんになるよ。」

親代わりくらいにはなろう。

いつ、お別れが来るかわからないけど、少しでも思い出を増やすために。

愛がないと家族じゃないんだと思います。

それほど家族の絆は強いものです。

ところで、平仮名しか言わない人がいて、読みづらいかもしれませんが、もう少ししたら普通になりますので。


読んでいただき有り難うございました!

評価等よろしくお願いします!

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