純白
「大丈夫か!?おい!」
咄嗟に背けてしまった目を再び二人に向ける。
「ぶ、無事よ!」
「私も何とか…。」
よかった。二人は無事みたいだ。
煙が消え、そこには倒れている二人の姿があった。
「梨花!ケガしてるじゃないか!」
軽い火傷を腕に負っていた。
「待ってろ。もう少しで良くなるから。」
「ごめんね。」
「気にするな。痛みを抱えながらだったら、この先どうなるかわからないだろ?"ヒール"!」
俺はこの三週間の間で、人の回復力を利用して、ケガを治す"ヒール"を学んだ。
回復量は少ないし、戦闘中は使っている暇はないが、誰かを助けられる力を手に入れたことが俺はとても嬉しかった。
ミカは黙って待っていてくれた。
前なら魔力量の無駄よ!とか言って、させてくれなかったかもしれないが、俺の他の人よりも多いらしいMPのことを知ってからはあまり言われなくなった。
よし、回復したみたいだな。
梨花が腕の調子を振って確認していた。
にしても、今回はしてやられたよな。
相手の発言を鵜呑みにして、それ以上何もしてこないと思ってしまった。
ブレードの方は、遠距離攻撃でもしてくるところだったのだろうか?
もしかしたら、情報も相手に奪われちゃったかもな。
ところでブレードモードという言葉に違和感を感じる。そんな言葉がこの世界あったのか。まあ、勝手に俺達の知っている言語に翻訳されているみたいだからそういうことがあってもおかしくはないのかもしれないな。
とにかくやることは変わらない。早くこんな薄気味悪いところを作った親玉に会いに行かなければ。
それからはかなり楽だった。相手に近づかないようにしながら遠くから攻撃し、相手が魔法を使えないようにしてきたら俺が突っ込んで真っ先に仕留める。
因みにガンモードの奥の手は、スキルも封印することだった。実際に食らったときはかなり焦ったが、直接体に触られない限りは大丈夫みたいだし、時間が経てばその効果も無くなった。
とはいえ、そんな技術を持つロボットが外に出て、暴れられたら被害は想像を絶するだろう。
「それだけは阻止しないとな…。」
前回俺が見かけた気持ち悪い生命体が入れられているケース?の前に来た。
奥を見てみるといくつも並んでいることがわかる。
「ミカ、これを見てどう思う?」
「凄く…禍々しいわね。」
「これ…村の近くで見つけた魔獣に似ています!」
これは確定ってことでいいだろう。
「つまり、梨花が村で見かけた魔獣はここで人工的に造られており、何かしらの理由によって外に出てしまい、それを梨花達が倒したってことでいいんだよな?」
逃げ出してしまったのなら、管理責任ってことでいいかもしれないが…。
情報収集のためにわざと外へ離したとかだったら、洒落にもならんぞ。
まあ、いい科学者ではなさそうだけどな。未だに俺達と話そうとしてこないし。でも、こういう研究してたら気が滅入ってくるのもわかる気がする。
探索を続けていたら、初めて人型のシルエットが見えた。
遠くから見てみると、そこには俺が地上で見かけた真っ白な女の子が立っているのだった。
参考のためにモンスター画像とか調べてみたらカッコいい画像が思ったより多かったです!
壁紙とかにしたいなと思いました。
…勿論気持ち悪いものも多かったのですが。
読んでいただき有り難うございました!
評価等よろしくお願いします!