遭遇
「魔獣は必ずコアを一つ持っているのは知っているんだったわよね?」
「ああ。」
「で、コアってのは私達がよく使う割にはわからないことが多いんだけど、研究の結果わかることだって増えてきたの。」
「それがコアの役目ってやつか?」
「そう。ある魔獣を生け捕りにして、コアだけを引き抜き、その状態で生かし続けるという研究を行った人がいるの。」
「それは穏やかじゃないな。」
「確かにその研究者は普段から怪しげな実験とか普通じゃ考えられないこともさんざんしてたけど、その実験はこれからのために良かったと思うわ。」
「で、どんな結果だったんだ?」
「それが…約一週間で白い灰になったわ。」
なるほど。まさにコアは魔獣の力の源だったって訳だ。
「衝撃的な結果だな。」
「そうね。その結果によって、コアは魔獣の異常な力の元であると同時に、魔獣を形作るものであることが分かったわね。」
「それで、二つのコアを持つ魔獣が現れたことと何か関係あるのかな?」
「どうかしらね…。」
俺には思い当たるものがあった。というより、見かけていた。
でも、憶測でものを言っていいのかわからなかった。
そんな風に考えていたら、ハッチに着いた。
「人数はこれだけでいいのか?もっと多い方がいいんじゃないか?」
「レオンが言うには強い敵がいたんでしょ?下手に弱い人を連れていったら犠牲者が増えるだけよ。」
そうかな?少しでも可能性をあげた方がいい気もするけど。
「それに!貴方は勝手に悪の科学者か何かが秘密の研究所で危険なことをしていると思っているのかも知れないけど、ただ研究を地下でひっそりしてるだけかもしれないじゃない!」
それは中を見てないから言えるんだよ!
「あのな!俺の姿を見かけた直後に攻撃を仕掛けてくるようなのがうろちょろしてるんだぞ?」
「貴方は家に知らない人が上がり込んでたらどうするの?」
「それにこんなところで隠れて実験なんてしていいのかよ!?」
「よくはないけど、それだけのことじゃない。」
えー…。嘘でしょ。
「あ、あの。もう行きませんか?住んでる人に話を聞いた方が早いような気がするんですけど…。」
…。
ここは梨花に免じて引き下がろうじゃないか。
「悪かったよ。早く行こう。」
ハッチが開くかどうかわからなかったが、何の問題もないまま侵入することが出来た。
「何で俺達を入れたんだ?」
「いくつか、考えられるわね…。
もうここに用がなく、何処かへ逃げるため。見つかってもいいと思っているから。そして…。この町を滅ぼすつもり…とか?」
「それは無視出来ないな。」
「あくまで予想だから。会わないとわからないわ。」
三人で歩いていたら、道の真ん中に2体のロボットが配置されていた。
「さっそくお出ましか!」
「待ちなさいよ!」
言われても構えは解かない。
「私は今代の勇者よ!この研究所並びに貴方達の製作者の元へ案内しなさい!」
一瞬の沈黙…。
「対象を排除します。ブレードモード起動。」
「対象を排除します。サーチモード起動。」
「っ!?コイツら…。」
「来るぞ!構えろ!」
二機とも俺がさっき見かけたやつではないみたいだな。
接近タイプと、観察?情報収集タイプ?って訳か。
「俺が一体を引き付ける。二人がかりでもう一体を倒して、合流してくれ!」
勿論引き受けるのは近接タイプの方だ。
こいつはさっきと違って、見た目じゃ何処が弱点かわからないな。
思えばこういうのと戦うのは初めてかもしれない。
いつだって、弱点を狙ったり逃げることを考えていたから真っ当に戦うにはどうすればいいのか、わからないな。
相手の動きに気を付けながら、観察を行うと関節の部分が少しだけ脆そうだ。
まずは機動力を奪うことにしよう。
相手の後方に石を投げる。
"相転移"!
相手の膝裏にあたる部分を狙う。今回はスキルは使わずに自分の力だけで、攻撃する。出し惜しみじゃない、温存だ。
片方を切り落としたことで膝?をつく。
両腕にあたるスピア?を弾き飛ばす。
最後に頭を落として終わりだ。
「終わらしたぜ。」
二人の元に戻って加勢しようと思ったとき、"感覚高速化"が発動する。
「!?」
後ろを振り向くと腕と右足を落とされた頭のないロボットがこちらを向いている。
見てみたら胸の部分が開かれていた。あそこから何か放つのだろうか?
再び"相転移"を使い、逃れた後に完全に止めをさす。
自分の間抜けさに呆れながら、二人を見たらあっちも終わってた。
って、あっちのロボットもおかしな動きしてるぞ!?
「急いで離れろ!」
俺が叫ぶとそれは同時に小規模な爆発を起こした。
友達と国語の小説作成のことをふと思い出しました。
思い付いたことをただ繋げるとかいう、酷いものでしたが面白かったですね。
思えばあれが原点だったのかもしれませんね。
読んでいただき有り難うございました!
評価等よろしくお願いします!