気合
遂に妹が出ます。一瞬ですが。
「作戦……か。いいだろう。話してみなさい。まだ何の意見も出てないんだ。」
「作戦って言っても皆さんは何もしなくてもいいです。俺一人でやります。」
「何言ってるんだよ!お前一人に何てさせておけるか!俺にも協力させろ!」
別の部屋から包帯で身体中を包まれたジョートが出てくる。
「ジョートさん!安静にしててください!」
「レオンがやるって言っているんだ!俺もやらなくてどうする。で、作戦ってのは何だ?」
「本当に一人でいいんだ。というか、皆には出来ない。俺にしか出来ないんだ。」
「まさか、レオン!またスキルを使う気!?もう今日は使っちゃ駄目よ!」
「でも他に意見はないだろ?俺にしか出来ないことなんだ。だったら俺がやらないとな。」
「なんで、貴方はそんなに無理をするの!もっと、自分を大事にしなさいよ!」
「でも……出来たことを……やるべきだったことをやらずに後悔したくないから。」
俺は昔の失敗とか気にするタイプだからな。
「そうだ。やってもらいたいことあったわ。皆で大きめの岩を沢山用意してくれないかな?一ヵ所に集めてもらうと助かるんだけど。俺はその間休憩しとくからさ。」
別の部屋に言って寝転がる。広間から何か聞こえるが疲れすぎた。寝ることにしよう……。
目覚めたらミカが側に居てくれた。
「おはよう。ミカ。」
「私は……もう誰かが苦しむところを見たくない。この村の人にはお世話になったわ。もう無関係じゃない。でも今の私には何も出来ない。だから……託すわ。信じる。レオンを。それとお願いがあるの。」
「ん?何だ?」
「レオンが帰ってきてから話すわ。待ってるから。」
そう言い残して部屋から出ていった。
「また約束しちまったな。」
次に部屋に来てくれたのは梨香と見たことのない少女だった。
「この子がカナンちゃん。貴方の妹よ。」
おお。可愛らしい顔してる。お人形みたいだ。本当に俺の妹なのか?そう言えばまだ俺の顔知らなかったわ。
「その、レオン兄様。ごめん。遅くなって。」
「いいさ。なんてったって、お兄ちゃんだからな。君が俺の妹?」
「うん……。やっぱり私のことも忘れてるの?」
「……ごめんな。俺が帰ってきたら、ゆっくり話そう。俺も少しずつ思い出していくからさ。」
「うん!必ず帰ってきてね!」
カナンが部屋から走っていく。
「有難う。梨香。妹にも会えてよかったよ。もしかしたら最後かもしれないしね。」
「私を一人ぼっちにするの?」
「いや?帰ってくるさ。俺を信じろ。」
「何も出来なくてごめんなさい。」
「帰ってきたらもっといろんなことを教えてくれよ。」
「分かったわ。」
数秒の沈黙の後に村長が部屋に来る。
「レオン。頼まれたことはしたぞ。」
「じゃあ、またね。」
梨香が部屋から出ていった。
「すまないな。こんなことを任せて。」
「いいんですよ。見過ごせませんから。」
「村の代表として礼を言わせてもらう。……実はな。お主みたいな人が現れることは知っておった。まさか、レオンだとは思わなかったが。」
?
「まあよい。下手なことは言わん方がいいじゃろ。後で絶対話すからな。任せたぞ。」
「はい!任されました。」
地上に戻る。ここで道案内役の梨香とはお別れだ。
「またな。」
「帰ってきてね。」
「たくさん約束したからな。」
四人と話す約束をしてるからな。
……
最後にジョートと話せなかったのが気掛かりだ。まあ死ぬ気はないさ。後で謝ればいい。
よし!気合いを入れるぞ!
外に出て、状況を確認する。外には岩が積んであり、それ以外にはまだ何も見えない。
温存のため、少しでも休憩をする。
村にオークの姿が見え始めた。
まだ、数は少ないがこれから一気に押し寄せて来るだろう。
岩を抱え、相転移を使う。
先程までとは比べ物にならないくらいの頭痛と吐き気を押さえながら眼下のオークに向かって手に持っていた岩を落とす。
よっしゃ!ストライクだ!
オークの頭は逸れたが、足を潰せた。あれならもう戦えないだろ。
安全に着陸してから倒れる。意識を手放しそうだ。視界がグルグルする。
後はこれを繰り返して、あっちの数が先に全滅するか、俺の気合いが足りなくなるかだな。
抜刀術で一匹ずつ減らしていってもいいが、今にも倒れそうな状況だ。気を張り詰める戦闘はしない方がいいだろう。
幸い岩の数は十分だ。苦しい戦いになりそうだな。でも……
「守る!絶対にだ!」
気合いがあっても出来ないことはありますが、気合いがないと何も出来ません。
色々とフラグが出来ましたが回収出来るかな?
矛盾してる点があったら、早めに教えてもらいたいです。
読んでいただき有難う御座いました!
評価等よろしくお願いします!