3.せんぱい2
掃除が終わると、夕食の時間が迫っていた。結局ボールにさわってる時間はなくて、光輝達は残念がっていた。
でも、長い時間バスに揺られていた疲れも見せずにじゃれあって、意味の分からない叫び声をあげて体育館に響かせ合ったり、走り回ったりと、元気があり余っているみたいだった。最終的には、いろんな雄叫びをあげる選手権みたいになって、奇声を発していた。
みんなのテンションおかしいね。
1年のみんなって、まだ中学生気分が抜けてないなあ。
2年生や、引退した3年生は、本当に大人!と思う。
特に3年生の先輩達は、別格なんだよね。
ちょっと怖いけど、すごく頼りになるっていうか。いて下さるだけで、安心出来る。
合宿初日から、タイムスケジュールが、細かく決まってて、本当にばたばたで、いつまでも体育館にいられるほど、余裕がなかった。
夕食の支度も、1年がやることになっていた。
時間に間に合わなかったりしたら、2年生や監督から、何て言われるか、だいたい想像がつく。ううん、想像を超えたおっそろしい、おそろしい~怖さがある。
特に今日は初日で、練習はなかったので、夕食の時間が2日目以降より、1時間早かった。自分達の荷物も、部屋に運べてなかったけど、そのままにして一緒に準備に取り掛かった。
支度、って言っても、おはしを並べたり、ご飯やお味噌汁を準備したり、やかんから麦茶をコップに注いで、各テーブルに置いたりするくらいだけど。数が、半端じゃなく多かった。
あっ、なすの素揚げがある。せんぱい、なす嫌いなんだよね。紫色が気味悪いんだって。食欲を減退させる色だって。おいしいのに。残すのかな。
「あと何膳?」
真弓先輩も、早目に来て、手伝ってくれたので、とっても助かった。
畳の大広間が、あたし達の食堂。奥の上座の方から、監督、副監督、主将、と座っていくらしい。
OBの先輩が来ると、副監督と主将の間に座るって真弓先輩がみんなに教えてくれた。今日は初日で誰もみえてないけど、噂では、1年をしごきに来るとかなんとか。
「……わあ、うまそうな、飯だなあ」
光輝すっごい棒読み。
……みんな、あんまりOB先輩のことは、考えないようにしてるみたい。
準備が出来て、あたしは光輝達と、1番下手、厨房の近くの席に座った。
真弓先輩も、おんなじ席。
18時ちょっと前。
ちらほらと2年生が集まり出した。
あたし達は、立ち上がった。
うちの部の、シキタリ。
ミーティングや練習の時など、後輩は立って、大きな声であいさつすることになっている。
真弓先輩は2年生なので座っていた。
入って来た先輩達は、思い思いの席に着いていく。
2年生が入って来てからは、無駄口をきく1年はいなくなって、あたしもみんなも気をつけ!の姿勢でいた。
2年生も黙っているので、広間の中は、しいんと静まり返って、なんともいえない緊張感が漂っている。
はあ、お腹すいたよお。
きっとあたしだけじゃないはず。
せっかくのおいしそうななめこのお味噌汁も、冷めちゃうなあ。作って下さった旅館の方に申し訳ないよお。
いろいろ考えている内に、ほぼ、全員が揃い、2年生の最後に、せんぱい達のグループが来た。役職に付いている先輩は、入ってくる順番が決まっているのだそうだ。
幹部の先輩達が入って来ると、いっそう緊張感のある雰囲気になって、気合いの入ったあいさつが飛び交い、2年生の最後には、あの人も堂々と入ってきた。
ひときわ、緊張が、高まる。
せんぱいも出てこないし、説明の文だけになってしましました。。。。。。
続きを早く投稿したいと思います。