表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/42

6.苛烈4

 せんぱいは、やさしく笑いかけながら言った。

「俺としては、練習熱心な後輩がいるのは頼もしいよ。他の奴らにも刺激になる」


 遠矢、嬉しそう。

「どうしたら、もっとサッカーが上手くなるでしょうか」


 遠矢のまなざしが、救いを求めるように、せんぱいへ向けられた。思いつめた声だった。

 せんぱいは、そんな遠矢をまっすぐに見た。


 沈黙……。

 ああ、あたしには、入り込めない世界だな。男同士の世界ってこういうのなんだろうね。邪魔にならないよう、黙って二人のやりとりを見ていた。


「こいつ、すげえなって奴は、人の2倍は練習してる。

 その上を行くためには、さらにがんばらないと、絶対無理だ。

 すぐには結果が出なくても、腐らず、努力をし続ければ、いつか必ず力が付いてくる。自信も付いてくる。

 妥協したり、あきらめたりしたら、後悔するぞ」


「2倍以上、ですか」


「そ、3倍ってこと。

 サッカーだけに限らず、何でもそうなんじゃないかって最近思うよ」

 遠矢の目に力が戻ってきたように見えた。遠矢は、ぐっと歯を食いしばるようにして、よし、と気合を入れてから、立ち上った。

「あざーした! 」

「おいおい声でかいなあ、まだ無理するなよ」

 遠矢は、がぜん元気が出てきたみたいで、あたし達に背を向け、荷物置き場の方へ歩いて行った。


 せんぱいの気持ちが通じたみたい。みんな、いろんな思いをしながら、それでも目標に向かって、今を全力で生きようとしてるんだ。


 せんぱいの顔はまだ赤かった。あれからきついトレーニングが続いたんだろうな。『ひでーごーもん』って言ってたしね。


 せんぱいの、苦しげに歪められた眉や。


 荒々しく繰り返されていた呼吸が。


 そして。


 全身から発せられる、炎のような気迫が思い出され……。


 隣であたしは、急に心臓がドキドキし始めるのを感じ、こっそり下を向いた。


 何、考えてんの~っ!


 自分で自分に言い聞かせる。すぐ横に座ってるから、なんか意識しちゃったのです。

 それより何より、今は、遠矢、遠矢!


 遠矢が練習に戻れるくらいに回復したのはほんとに良かったけど、まだ心配だよ。大丈夫なのかなあ?

 遠矢は、背を向けたまましゃがみこみ、バッグをごそごそやり始めた。


 その様子を見守って、いたのに。


 あたしの右手にさっとせんぱいの左手が伸びて。

 驚いて、反射的に見上げた時には。


 ゆっくりと顔が近づいて来て。やさしく、温かく。


 ふわっ。


 あたしの唇に、おりた。


 瞬く間の出来事で。

 あたしは何が起こったか……。


 驚きで固まっていると、せんぱいは、さっと離れて立ち上がった。


 遠矢も同じく、新しいタオルを取り出して、立ち上がった。

 せんぱいを見上げたとたん、唇が目に入り。


 ききき、キスっ!!


 あたしは、ぼっと火のように赤くなる。


 せんぱいの、

「よし、行くぞ」

の声に、遠矢も、

「はい!! 」

と力強く答え、二人で意気揚々と部屋から出て行き、後には、カッと赤くなってしまった、あたしだけ取り残された。


 後輩を心配して、様子を見に来たんじゃなかったの?





理解不能。


ふざけてるの?


真剣なの!?


昨日は時間があったので、かえってぼんやり過ごしてしまいました……あはっ!

そんな日もあるさ!と今日からまたがんまりまっす♪


今日も、開いてくださってありがとうございます!


ランキング登録したり、初ツイッターをしたりと、世界が広がってます(#^.^#)ネットの世界は、刺激的で、使い方によっては、とっても楽しいです!もっとネットを使いこなせるようになりたいです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ