表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

それから

甘め注意。二人が仲良くなってから。


アランの1日は、弟のサンを起こすこのから始まる。

それから、ぼやぼやと身支度する弟を横目に、自国の使いに届けさせた電文に目を通す。

小国のそして今や囚われの王子ではあるが、自由はある程度あることが救いだった。

昼前に一度、ギルバートが顔を見せた。

直前まで目を通していた文は、田舎の村貴族が綴ったものだった。

アランが自国の者からの文を読んでいたことに機嫌を悪くしたようである。

ギルバートが無言でアランを見下ろした。

アランはため息をついて、文を片付ける。

「ご機嫌いかがでしょうか」

「しらじらしいな。お前のせいで良くないぞ。責任を取って、いつも以上に尽くせ」

羽織っていた着物を脱ぎ捨て、軽装になった王子が茣蓙に座り込んだ。

朝からか。

と、思ったが口にせず、困ったように部屋の隅で小さくなっていたサンを下がらせて、ギルバートに近づいた。

粗暴な王子は、自分に近づくアランを笑う。

「最近は大人しいな」

「ギルバート王子は従順な私がお嫌いですか」

「もっといじめたくなる」

「王子は駄目な人ですね」

「死刑にするぞ」

「本当に駄目な人ですね」

ギルバートが笑う。

アランは大真面目な顔をする。けれど、アランもとうとう苦笑に変わる。

アランはギルバートの隣に膝をつき、風に凪いだしだれ柳のようにギルバートの胸に収まった。

激しい抵抗を見せるアランも楽しいが、この様に静かなアランを腕の中に納めるのもなかなか楽しいものだと、ギルは思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ