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ギルバートが笑った2


****


その兄王子は猫かぶりだったのか、一度本性を表すと戻る気がないようで、早くもあの従順だった頃が懐かしい。

一日中、弟の世話をやいているようで、私が公務の間をぬって彼らが住まう離宮へ行くといつも共にいた。私を何だと思っているのか、アランは私を見るとなり、サンを隅の部屋へと下がらせる。

「おい、私に対して少し警戒が強すぎるのではないか」

「どうか、お気になさらずに」

「このように隠されると、見たくなる。どれ、見せろ。サンを呼べ」

「私にとって弟は宝。宝は、奥に隠しておきたいのです。サンは呼びませぬ」

「ふん、宝か。そのような戯言を垂れるまでに弟を気にかけるとは、お前はまるで世話係のよう・・・。

なるほど、お前は偽物の王子であるか?本物の王子はサン一人であるのか?

そうであるならば、偽物には用はない。サンを出せ」

畳み掛ける私の言葉に兄王子は、頬を引きつらせた。

「なんたる無礼、なんたる無礼・・・!私は、ジネ王国の直系王子だ」

と顔を真っ赤にして言った。

「そうか。では嘘偽りなきアラン王子に今夜も私の相手をしてもらおうか」

今宵の月は非常に美しい。

屈辱に震え、暴力的に喚くアランを褥に縫い止めて、月を眺めるのも一興だ。


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