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夢で生きる  作者: 中田あえみ
第一章
3/34

夢 の 中

「夏休みはどこに行くの?」


ふと、目の前に男性の顔が映る。隣の髪の長い女性の、顔が曇って見えない。


誰?誰といるの?


必死で目を凝らすと、女性の顔がはっきりして、何と自分の顔になった。


そんな訳はないでしょ!

あなた、また嘘をついてるの?どうして?


嘘…… 嘘…… 嘘ばかり…… もうやめて!


絶叫して、目が覚めた。

ベッドの前に置いた鏡の中に、ぼさぼさ頭の寝起きの私が映る。そう、これが私の姿。彼の隣にいるわけもない。


……またか。


毎日のように見る、幻想。これが日課となってしまった。



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