1/1
1
書けるかな
「シン様、おはようございます。」
柔らかい女の声が聞こえ、目を開けると白いベットの天蓋が見える。
「おはよう、アミカ。」
起き上がるとメイドのアミカが服を準備してくれていた。
「先ほど、リグレ様がお呼びになって降りましたよ。」
「そうか。そういえば、あのうるさい新入生のガキはどうしている?」
着替えながら聞く。
「ここへ来る途中に宿舎の入り口にいるのを見ましたよ。」
「ちゃんと約束は守ったのだな。あ、今日の朝ご飯は何だ?」
「猪の肉と魚です。どちらもあの時突然変異で現れた山と海の物です。」
アミカがパジャマを片付けながら言う。
「そうか、あの日から、世界と切り離されたあの日からもう3年も立つのか。」