タイトル未定2025/11/20 22:35
職場の机で作業をしていると、大きな声が友光 (ともみつ)ちはるの名前を呼んだ。
「お~い、友光!」
ちはるは面倒な顔を隠しもせず、自分を呼んだ馬場の方を向いた。
「あ~?何よ?」
馬場はちはるに近寄ると、声をひそめた。
「偶然聞いたんだけど開発部の奴ら、barに合ったチョコを開発するらしいぞ」
「bar?」
ちはるは、初めて馬場の顔をみつめた。
「社長自ら、この企画を立ち上げたらしい」
「社長が?まさか!」
「やっぱ、そう思うか?」
「ありえないわ!誰かが、社長を動かしたのよ」
「誰が?」
「barでしょ。こんなことを考えるのは、ぱっつんしかいないわ!」
「北神ちゃんか?」
「barに合ったチョコを開発すると言って、マスターに近づく魂胆よ。やることが姑息ね」
「北神ちゃんも、マスターが好きなのか?」
「ぱっつんは、男遊びなんて無縁の生活を送っていたわ。そう言う女が本気になると怖い。うかうかなんて、してられないわ。それに、あの女子高生たちもマスターのこと好きだし。ライバル多いわ」
「barにいた女子高生か!」
「馬場、ありがとう。たまには、役に立つわね」
「いやぁ~」
頭をかきながら照れた馬場は、はっと我に返った。
「友光、お前まだマスターを追いかけるつもりか?」
「そうよ」
馬場は、あからさまに嫌そうな顔をした。
「何よ、その顔は?」
「無理だと思うけどな」
「無理?どう言うこと?」
「考えてみろよ。相手は、バーテンダーだぜ。俺たちの知らない女友達だって、絶対いるはずだ」
「それが何?アタシは、マスターが好きになったの!馬場に、あれこれ言われる筋合いはないわ!」
ヒートアップするちはると馬場の間に、友光と馬場の部下の[[rb:赤井 > あかい]]が入って来た。
「はぁい!はい!そこまで~まだ、業務中ですよぉ。もめ事は、職場外でやりましょうね」
赤井の言葉に我に返った友光は椅子に座ったまま伸びをして、パソコンのモニターに目を向けた。
「無理なものにすがっても、しょうがないだろ!」
捨て台詞を吐いた馬場は、苦虫をつぶした顔をしながら自分の席に戻った。
席に戻る馬場を睨みながら、ちはるは携帯に手を伸ばし、亮の携帯に電話をかけた。
何度目かのコールの後、亮の声が聞こえた。
ちはるは、一方的に喋りだした。
「あたし、ちはる。今夜、マスターの店に行かない?えっ、今夜行くの?じゃあ、一緒に行こう。どこで待ち合わせ?うん、うん。えっ、若菜?あぁ、スイも一緒なのね。わかった。じゃあ、今夜」




