タイトル未定2025/11/20 21:41
若菜と流花が通う、学校の昼休み。
お弁当を食べ終えた若菜と流花は、教室の隅で二人で話をしていた。
若菜は言いにくそうに、流花に聞いてきた。
「初めてマスターの店に行った時のこと覚えている?」
「うん」
「マスターシロちゃんのこと、見ていたんだよね。気づいていた?」
「うん。気づいていた」
「気づいていたんだ」
「何故、私を見ていたんだろ?」
「知っている人に、似ていたから見ていたんだって」
「そうなの?」
「北神さんが、教えてくれた」
「北神さん?」
「パパの秘書の」
「ああ、メガネをかけてた」
「どう言ったいきさつで、北神さんはマスターから聞いたのかは知らないけど」
「そっかぁ。似ていた人がいたから、私を見ていたんだ」
楽しそうに言う流花を、若菜は黙ったままみつめていた。
「ん、どうしたの?」
「シロちゃん、気にならないの?」
「何が?」
「マスターが、シロちゃんのことを見ていたんだよ」
「それは、マスターの知っている人に似ていたからでしょ」
「そんなの口実よ!」
「スイ?」
「マスターは、私に何も教えてくれない。
でも、シロちゃんにはなんでも教えた!シロちゃんのことを気に入っているから、マスターはシロちゃんのことをみつめたり、なんでも教えたりしたんだ」
「ちょとスイ!全部スイの想像でしょ。マスターの気持ちなんて、そんなの誰もわからないじゃない」
「そうだけど……ごめんシロちゃん。シロちゃんを責める言い方しちゃって。ずっと、シロちゃんに嫉妬をしていたんだ」
「実は、私もスイに嫉妬をしていたんだよ」
「本当に……?」
「スイが楽しそうにマスターと話をしているのを見た時、羨ましかった」
「知らなかった!」
「うん」
「シロちゃんもう一度聞くけど、マスターのこと好き?」
「前にも言ったけど、良いなとは思うよ。だからどうしたいとか、それはちょっと違う気がする。私は、マスターのことをもっと知りたいだけ。知ってしまって後悔をするかもだけど、それでもかまわない」
無邪気に言う流花に、嫉妬した自分を恥ずかしく思う若菜だった。




