表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DANDY〜笑顔〜  作者: kagari
15/18

タイトル未定2025/11/22 21:11

 午前中で授業が終わり、大半の生徒たちは教室を出て行ったが、教室にはまだ数人の生徒がいて、教室の中はざわついていた。

 しかし若菜と流花のまわりは、静けさが漂っていた。

 若菜と流花は机を挟んで、お互いをみつめあっていた。

 沈黙を破ったのは、若菜だった。

「何……それ……マスターが私にシロちゃんの携帯番号を聞いたのは、シロちゃんに店を手伝ってほしいからなの?」

「うん」

「ずるい!」

「ずるいって!」

「だって、店を手伝うってことは、ずっとマスターの側にいるってことでしょ」

「そう……だけど」

「あぁ、良いなぁ」

「バイトとはいえ、仕事だよ。緊張するなぁ」

「シロちゃんって、ホント責任感強いなぁ。マスターに会える~ってノリで、バイトすれば良いじゃん」

「そんな気持ちで、仕事なんてできないよ」

「相変わらず、真面目だなぁ」

「いい加減な気持ちで、やりたくないだけ」

「そう言うのを、真面目って言うんだよ。……あのね、シロちゃん」

「ん?」

「なんでもない!帰ろっか」

「うん」

 教室を出た若菜と流花は、肩を並べて廊下を歩いた。歩きながら、流花は思い出したように、若菜に聞いてきた。

「スイさぁ、さっき何か言おうとしたよね?」

「あぁ、なんでもない」

「そう?」

 赤井とつきあうことを、流花に打ち明けようとした若菜だったが、遂に言うことができなかった。

 同じように流花も、マスターと暮らしている大門は、『施設に預けられそうになったところを、マスターが引き取った』と言うことを、若菜には黙っていた。

 若菜と流花は、お互い隠し事はしないと決めたが、いくら親友でも言いにくいことはある。


 帰り道流花と別れた若菜は、繁華街の大手デパートの中にいた。

 二月の始めとあってデパートの中は、本格的にバレンタインのチョコで賑わっていた。

 ほのかに甘い香りが漂う中を、若菜はゆっくり歩いた。

 目の前には、可愛いチョコから本格的なチョコが、ディスプレイされていた。

 小さなため息と共にチョコを眺めると、チョコの手作りコーナーを見つけた若菜は、思わず足を止めた。

 ……手作りかぁ。作ったら、赤井さん喜ぶかな?……。

「スイじゃん!」

 その声で、若菜の思考が止まった。振り向くと、片手に大きなバッグを下げたちはると馬場がいた。

「ちはるさん、馬場さん」

 若菜に近寄ったちはるが、聞いてきた。

「学校の帰り?」

「はい。ちはるさんたちは?」

「営業よ」

「大変ですね」

「仕事は大変だけど、この甘いチョコに癒されるんだよなぁ」

「あぁ、なんかわかる気がする!」

「チョコ、赤井に渡すの?」

「そのつもりだけど……」

「だけど?」

「マスターにも、チョコを渡したい。そう言うのって、赤井さんに失礼ですよね」

「な~に言ってんの!マスターにチョコを渡したいなら、渡せば良いじゃん」

「でも……」

 言葉を濁す若菜に、馬場が言った。

「マスターを好きな若菜ちゃんを、赤井は好きになったんだ。マスターにチョコを渡したくらいで、赤井は若菜ちゃんを軽蔑したりしないよ」

「そう……かな」

「そんなに、深く考えこまなくても良いじゃん!バレンタインって言うイベントを、楽しもうよ!」

 明るく笑い、自分を励ます馬場を見た若菜は、少しだけ笑顔になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ