タイトル未定2025/11/21 21:07
精算を済ませた亮たちは、店の外に出た。マスターも一緒に外に出て、亮たちを見送る。
「マスター」
亮は少し離れた場所に、マスターを連れ出した。
「今日は、弊社の協力ありがとうございました」
「お役に立てたでしょうか?」
「もちろんですわ。ごちそうさまでした、おやすみなさい」
軽く頭を下げ歩き出そうとした亮は、不意に振り返った。
「意外でした」
「えっ?」
「下ネタが、お好きなんですね」
「えっ、ああ……やだなぁ、真に受けないで下さい。常連客の方ですよ。リップ・サービスです」
「サービス……私は、サービスなんていりません。マスターの本心が欲しいです」
亮は、マスターをみつめながら言ったあと、マスター背を向け駆け出した。
亮がちはるたちのもとに走って行くと、馬場が若菜の携帯番号を聞いていた。
「あんな風に女性客と話をするマスター、初めて見たな」
携帯をズボンのポケットにしまいながら、馬場が言った。
「マスターって、あんな人だっけ?びっくりしたわ!」
馬場の言葉にちはるは、同意した。
「リップサービスです。マスターが言うには」
亮は、小さな声で言った。
「リップサービス……そうわかっていても、あんなマスターは見たくなかった」
ちはるの言葉には、いつもの勢いがなかった。若菜は黙り込んだまま、亮の隣を歩いていた。
若菜の携帯が鳴ったのは、若菜が家に着いて風呂から上がった時だった。若菜は慌てて携帯を手にした。着信画面には、見たことがない番号があった。若菜は不安になりながらも、通話ボタンを押して携帯を耳にあてた。
「……もしもし」
「もしもし、えっと。俺、水田菓子メーカーに勤める社員で。馬場さんと友光さんの後輩の……」
「ああ!」
若菜は思い出したものの、名前がわからない。
「赤井です」
「赤井さん!」
若菜にわかってもらえた赤井は、ほっと胸をなで下ろした。
「さっき馬場さんに、若菜ちゃん……水田さんの携帯番号を聞いたんだ」
慌てて名前を言い直したので、若菜は思わず笑ってしまった。
「若菜で良いですよ」
「……ありがとう。明日、何か予定ある?」
「明日?特にないけど」
「じゃあ、遊びに行かない?」
突然の赤井の誘いにとまどう若菜だったが、若菜は赤井の誘いにのった。




