幸せの蹂躙
壊される前に
私は恐怖から逃げる
乱された視界に
吐き気をもよおす気色悪い色たちが
並べられる前に
世界の崩壊は突然始まり
築いてきた
ありふれた日々はあっという間
に終止符が打たれる
芽吹きだしていた
新たな赤子のうずきは
ぴくりとも動かない
きまぐれの制裁
ありったけの残酷を満たすまで
めったざし
荒れた回廊の途中で
散らばる不幸を寄せ集めては
沈む足音に嫌気を感じて
唇を思いっきり噛みきる
だらだら垂れる血液
一滴も取り零さず
喉の奥で飲みほした