若気の至り
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【此れまでのあらすじ】
如月中は私の数少ない友人のひとりだ。いや…私が彼にとって、数少ない友人のひとりだと言った方が正しいかも知れない。
私は三枝史郎というしがない小説家である。彼との出会いについては、先に語った通り、とある工事現場での事であった。
彼の第一印象は、誰とも交流を持たず、只ひたむきに黙々と仕事をこなす大人しく無口な青年だった。私は現場の終わりと共に彼の存在すら、忘れてしまっていた。
そんなある日の事、私は小説のネタ収集の為、公立図書館での資料漁りに励んでいた所に突然声を掛けられる。誰在ろう…あの彼であった。
彼は私にある提案をした。
「此れから少し話さないか?けして後悔させないと約束しよう…」
私は同意して、彼のお勧めの『サ店』に向かった筈だったのだが、何とそこは彼の兄の持ち家であった。
彼は自分の事を『如月中』と自己紹介した。そして彼…如月中君は、その『サ店 擬き』で、私個人の背景を、全て顕にしてしまう。
「少し考察してみようか?」
彼は気軽にそう述べる。その考察は、私の職業当てから始まって、私の性格から物の考え方まで多岐に渡った。そしてその全てをズバリ言い当てる事に成功したのだ。
そして最後に、工事現場での彼の振るまいが、全て演技で、仕事の為にやむを得ずやった事だと告白した。
「君に小説家という職業がある様に、僕には探偵という職業がある…」
彼はそう告白して、彼の手掛けていた事件が無事に解決した事を告げたのだった。此れが我々の出逢いである。
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【第3話】
私はその日を境に、この如月中君という人物にすっかり魅了されてしまっていた。彼には、自分には無い不思議な力が備わっている様に感じたからだった。
彼はあの後も煙草を燻らせながら、のんびりと構えて、私の好奇心に付き合ってくれたのである。
「君は重箱の隅をツツく様な行為は、自分の身を危険に晒すというが、時としてそれは人間としての知識欲に反比例する事に成りはしないかな?」
私も多少、此れがとって付けた様な物言いだという事は判っている。しかも彼は恐らく、私の為を想って、敢えて喚起してしてくれたのだろう。
だからこんな物言いがある意味、非礼にあたる事も承知していた。けれども、知識欲を抑えてしまっては、私の小説家としての位置付けが揺るぎ兼ねない。私はその時はそう考えていたから、後先の事は横に置いて、単刀直入な尋ね方をした。
彼もそう感じたのかも知れない。少し顔を歪めると、何か言いたそうな表情をした。しかしながら、それを敢えてグッと堪えて、ニコッと微笑むと、煙草を揉み消しながら、私を見つめた。
「君は僕の言葉の真意を誤解している様だ。何も知識を追い求める事が悪いなんて言ってないさ…只もう少し慎重に振る舞う事も覚えた方が、要らぬ危険に身を晒さなくて済むんじゃないのか…そう僕は言いたかっただけなんだがね♪」
彼は落ち着いた物腰で、そう説明を試み、私に理解を求めた。
『お説ごもっとも…』
普段の私ならそう思ったろう。否、この時でさえ、頭の何処かでは、そう感じていた。
ところが私は、急に妙な感情が沸き上がってしまって、いきり立つ様に反論を口にしてしまう。
「判った様な口を効かないでくれ!君に私の何が判るというんだ。お説教なら聞きたくない!」
『ああ、言ってしまった…』
私は口をついた先から後悔していた。そもそも私の様な温和だけが取り柄で、気の弱い人間は、そんな事をすれば、必ず自己嫌悪に陥る事は自覚している。
彼は私のその言葉を耳にすると、すくっと立ち上がって背中を向けると、スタスタと行ってしまった。
『あっ…!!』
想わず口に出そうになった驚きは、幸か不幸か声に成らなかった。私は口唇を真一文字に結ぶと、顎を引いて下を俯くとグッと堪えた。
そして案の上、自己嫌悪の深い淵に沈んだ。暫くそうして居た様に想う。心の中の蟠りのせいか、とても時間が永く感じた。
居たたまれない心持ちから、そこから逃げ出して仕舞おうかとも思ったが、そういう時に限って、律義な性格が顔を出して、身動きが取れずに居た。
否、もしかしたら相手の気持ちを傷つけたと思い、その痛みが自分に跳ね返って来て、震えが来ただけかも知れない。所謂心の弱い人間が起こす衝動である。
私は一人でそんな事を感じたりして過ごすうちに、どうしても彼に一言謝りたいと思う気持ちになっていた。
そんな時に、鼻先に甘い香りが漂って来て、私は自然と顔を上げた。すると、目の前には彼が、煎れ立ての紅茶を差し出しながら、此ちらを心配そうに覗き込んでいる。そして…
「少しは落ち着いたかい?気分転換に此れでも飲んでくれ!ハーブティーさ♪お気に召すと良いんだけれどね。何というか…気持ちが和らぐそうだ。僕も口が達つ分、余計な事を時々言うものでね…だから、皆、僕と一緒に居たがらないんだ。誰に似たのか妙な性分が身についてしまってる。悪気は無かったんだ。気を悪くしたなら謝る。」
そう言って、彼はペコリと頭を下げた。
私は漸く謝る気持ちを固めていた矢先、先を越されてしまって、途端にブワッと顔が真っ赤になり、再び俯いてしまった。そしてそのまま…
「否、謝るのは私の方だ。此ちらこそ御免…」
と言って、顔を上げると、彼を見つめた。
私は自分では気がついていなかったが、自然と涙していたらしい。顔を上げた拍子にツーと頬を伝って墜ちてきた。
彼はそんな私をニッコリと、優しい笑顔で見つめ直すと、「じゃあ、此れで仲直り出来たね!」と言った。
そもそも我々は、ヒョンな偶然で再会して、お互いの事を、まだそんなに理解し合った間柄でも無いのだが、此れでは、端から見たら、立派な痴話喧嘩に誤解され兼ねない。
でも私は人と人との関係が、過ごした時間の長短に左右されるとは思っていない。彼は短かい刹那の中で、それだけ大きな衝撃を私に与えたのだ。そして私の自負ではないと想うが、彼もまた、私の中に何かを汲み取っていたのかも知れない、と感じていた。
彼は一度、自分を落ち着かせる様に煙草に火をつけると、煙を思いっ切り吸い込んだ。そしてプハーと気持ち良さ気に吐き出すと、身体を前傾みにしながら、両手を合わせる様に顔の前に持って来ると、おもむろに口をついた。
「僕の言葉数が足りなかった様だ。無論、君に僕の言葉を押しつけるつもりは毛頭無かったんだ。でも端から眺めていると、どうも君の行動は、危く見えてしまうのだ。まるで無茶を通して来た自分を投影してしまうんだよ。まあ、タイプは違うんだけどな…僕も昔は後先を省みない時期が在ったって事さ!今の僕が在るのは、兄のお陰なんだ。そう!先程、登場した、見るからに喫茶店のマスターが似合うあの兄さ!どうだい?仲直りの印に、ひとつ僕の"若気の至り"って奴を聞いてもらえるかい?」
彼はそう言うと、再び煙草をスパスパと吸っている。
「勿論だとも!本音を言うとね、私は君の才能を認めた上で、無意識に君と張り合おうとしていたらしい。嫉妬から来ていたものだと想う。ご覧の様に、私には君と競う程の力は無いのにね。今なら真摯な気持ちで聞く事が出来ると想う。是非聴かせてくれないか?此方から頼む!」
私は素直にそうせがんだ。彼は…
「判った…少し永い話になるから、そうだな…君さえ良ければ今から家に来ないか?そこなら、最悪、泊めてあげる事すら出来る筈さ!」
「お供させてもらうよ!」
私はそう言うと、立ち上がった。
「おいおい…そう慌てないでも、話しは逃げないぞ、折角だから、温かいうちにハーブティーを飲んで仕舞えよ!それが済んだら、のんびり出掛けるとしよう♪」
彼の言葉を聞いて、私は再び赤面してしまった。彼なりに気を遣って煎れてくれたものだ、此れではまた礼を欠いてしまう。
私は受皿を大事そうに左手に持つと、右手で器の取っ手を握って、口に持って行き、フーフーと息をかけ、冷ましながら、グイグイと少しずつ飲む。
「(^。^;)あれ?此れ妙に甘くないか?」
「(´▽`)あぁ♪甘味は頭の巡りを良くするし、落ち着くだろ?だから蜂蜜を入れておいた♪」
「(^。^;)それは有難う…此れは此れで旨いよ♪」
一言突っ込みを要れたい嫌いはあるものの、相手は好意でやってくれている事なので、ここは控える。しかも仲直りしたばかりだから、此れ以上、ここで変に拗らせる訳にもいくまい。
「(o≧▽゜)o糖分は脳のエネルギー源だからね♪正確に言うと、ブドウ糖なのだが…機会が在ったら、その事について考察してみるとしよう♪」
「(^。^;)そらぁ…どうも♪」
私の疑問は果たして、ハーブティーに蜂蜜を入れて飲むのがポピュラーな作法なのかという点に在るのだが、彼はそんな事は全く気にしていないらしい。あくまで身体に良い組み合わせという点を強調している様だった。
私は受け答えをしながらも、グビグビと彼のブレンドハーブティーを飲み干した。成る程…確かに!不思議な事には少しずつ気持ちが穏かになる気がしていた。彼の労りの気持ちが込もっていると感じたからかも知れない。
私が飲み終えると、二人して席を立った。帰り際に、中君のお兄さんが挨拶に出て来た。中君は…
「兄さん、此れで帰ります。御馳走様!」
そう言ってペコリと頭を下げた。
私もそれに倣う。中君のお兄さんは…
「こんな奴ですが、凝りずに宜しく!」
そう言って微笑むと、彼に「良かったな!」と声を掛けた。
「ええ…」
彼は照れ臭そうに鼻の下を擦ると、手をポケットにつっ込んで、そのまま喫茶店を後にした。
「そろそろお昼時だな…どうだい、どこかで飯でも食べて行くかい?」
彼にそう言われて、もうそんな時分なのかと、私は反射的に腕時計を確認する。時刻はあと10分で正午になる頃合いであった。
すると、身体は正直だ。途端に腹の虫がグゥーキュルルと鳴った。彼はそれを耳聡く聞くと、「クックックッ」と口許に手を当てて笑った。
「どうやら同意して貰えたみたいだね、結構!どうだい寿司でも摘まむかい?今の時間なら、ランチサービスで1.5人前食べれる所を知ってる。」
「任せるよ…」
私はお腹を擦りながら、
「この正直者!!」
と腹の虫にブツブツ話し掛けている。
すると、彼はド壺に填ったらしく、
「やっぱり君は、面白いよ、実に面白い!」
そう言ってゲラゲラと笑った。
私は照れ臭くて、林檎の様に、顔をみるみる真っ赤にする。でも彼の笑う姿を久し振りに見た気がして、不思議と悪い気はしなかった。
彼はそんな私の心の有り様を鋭敏に感じとったのか、横目で眺めながら、フフンとほくそ笑んだ。
彼のお勧めのお寿司屋さんはとても美味しかった。何年か振りに、まともな寿司を口にした気がしていた。
残念ながら、幾ら頑張っても私の稼ぎでは、回るお寿司屋さんでさえも、なかなか敷居が高かったので、店構えのしっかりしたお寿司屋さんに、入店するだけでも少しドキドキしてしまった。勘定は、彼がまとめて払ってくれた。
私は当初、「ここは清水の舞台から飛び降りたつもりで…」と、自分の分を払おうと意気込んでいたが、彼は即座に却下した。
私はまた馬鹿にされたかと思って、ついつい不満が顔に出たが、 彼は落ち着いた様子で、「君はまた、誤解しようとしているね…」と、最初に釘を刺して来た。彼は穏やかな態度を崩す事無く、私の目をしっかりと見つめるとこう告白した。
「種明しをするとだね…このお金はあの大麻事件の報酬なのさ!君も全く関係が無かった訳ではない。それどころか僕に言わせれば、大いに役に立ってくれた。だから君は当然、その一部を受け取る権利があるのさ!従って君が全く卑下する様な事では無い。堂々としてくれていいのだ。」
彼は言葉を選ぶ様にそう説明を終えた。
私はそこで「有り難う!」と言って、大人の対応が出来れば、どんなに良いかといつも想うのだ。けれども、自分の心の中で、説明の狭間に存在するであろう悪意を作り上げて、簡単には納得が出来ない。此れは性分なのだ。
自分がもっとも嫌っていながら、なかなか切り離す事が出来ない負の感情である。私はさすがに彼の好意には感謝しているので、サ店の時の様な感情的な態度には及ばない様に、注意を払いながら、端的に尋ねる事にした。
「気持ちは有り難い!でもそれは君が苦労して解決した仕事の報酬じゃないか?それを何の役にも立っていない私が、奢って貰う理由があるのだろうか?君が好意で支払ってくれたのは判っている。判っているのだが、素直に成れない私を許してくれ。どうしても理由が知りたいのだ…すまない。」
私はもはや、懇願する様に手を合わせた。客観的に考えても、かなり面倒臭い人間として、見られるだろう事は判っていた。自分でも長年の習慣とはいえ、少々、負け犬根性が付き纏っている事は薄々感じていた。
中君は、(-ω- ?)…暫く真顔で私を見ていた。面倒そうな顔や、困った顔は見せなかった。恐らく、彼なりに既に私の物の考え方は把握しており、この質問でさえも、彼にとっては当たり前の反応だったのだろう。
どう応えるか、その整理を頭の中で、カチカチと機械の如く音を立てながら、導き出している様にさえ、見えた。そしてその答えが、算出されたのか、私の顔をまじまじと見た。
「君!此れから話す事は他所では吹調してくれるな…後、少しばかり気分を悪くするかも知れない。でも納得してくれない君を説得するためには、仕方が無いんだぜ!いいね?」
彼は念を押す様に、そう前置きを済ませると、やがて再び説明を始めた。
「君がつるんでいたあの彼だが…彼が大麻の売人だとは先程、教えてあげただろう。あの現場は、実にハッキリと区分けの出来る場所だったのだ。泡銭を持っている学生と、生活のためにひたすら仕事に励んでいる低所得層さ。あいつは変わった男でね…自分を義賊か何かだと思い込んでいたらしい。だからね、親が裕福な大学生を見つけては、その餌食に選んでいたのだ。特に学生はアルバイトをするためには、親が保証人に、成らなきゃ為らん。そうなると、話しは簡単だ。アルバイトとはいえ、履歴書は書いて提出する義務があるのだから、それを閲覧するためには、人事権を持つ人間を買収するか、はたまたその人材の中にこそ、犯人が存在すると、考えた方が良い。僕はまず…大本を調べる事にして、彼ら1人1人の経歴を調べたが、それらしき人物に該当は無かった。此れで少くとも、組織的犯罪の可能性は低くなった。この場合の組織とは、その職場ぐるみという意味だがね。」
彼はそう述べると、一息着いた。
「僕は当然の事ながら、困ってしまったんだ。そうなってくると、犯人はどうやって獲物を選んでいるのだろう?その見極めこそが、焦点となって来る。そこで僕は、大胆にも、見方を変える事にしたのさ!名簿や履歴書じゃないのならば、どうやって獲物を寄り分けているのかとね。そこまで考えた時に、はたと気づいた。犯人はかなりうまく立ち回っている。恐らく、表の顔と裏の顔は違うのだろう。そうなって来ると、行動をそれこそ、ひとりひとり確認して行かねば成らない。それはとても効率が悪いからね。そこで犯人側の心理に立って考えてみる事にしたんだ。組織ぐるみで無いにしても、ひとりで闇雲に声を掛けると、効率の悪さは無論の事、犯行がバレ易くなって仕舞う。僕が犯人ならば手っ取り早く、効率的に、しかも的を絞らせない為には、どうしてもネットワークを作る必要が生じるだろう。どうやるか?何か上手いやり方はないか?するとある閃きが、想い浮かんだんだ。君も若い頃に一度くらい声を掛けられた経験があるだろう?そうだ!ネズミ講さ♪」
彼はそう高らかに宣言すると、私の顔をマジマジと見つめた。
「確かに…そんな事が在った記憶はあるな…でもあれはネズミ算と同じで、頭を先頭に、上層は儲けが出ても、遅れて声を掛けられた中層・下層は儲からない。それどころか、御人好しに構えていたら、大きな負債を負う事になる。さすがに御人好しの私でさえ、そんな詐欺には掛からないが、それがこの事件とどう関係があるんだい?」
私は不思議な表情をしながら、続きをせがんだ。
「あぁ…まぁこの場合は正確に言うとネズミ講では無い!でも取り込んだ獲物に、次の獲物を紹介させるという意味では、それに近い…。そしてこの場合、極端な事を謂えば、取り掛かりは誰でも良い。しかしながら、効率性を考えた場合は別だ。条件としては、明らかに学生で、一人暮らし。親がお金持ちであり、出来れば、社会的な地位のある方が都合が良い。名誉を重んじ、スキャンダルを嫌う者ならば恰好の標的だ。奴は獲物を見つけて、薬と脅しで買い馴らすと、そいつを基点とした学生ネットワークを構築したのさ。簡単にいうとそんな手法だ。脅された学生が次々と次の獲物を紹介せざるを得なくすれば良いのだからね。ク○リの友達は皆、友達…みたいなね…」
彼はそう言うと、溜め息をついた。明らかに気分の悪さを思い出した様だった。
「それで彼が大ボスだとはなぜ判ったんだ?」
(^。^;)「ああ…それね♪此れだけ御託を並べて置いて、申し訳ないが、捕まえたのは、警察だよ♪警察♪さすがに日本の警察は優秀だ!最終的には彼らのお手柄だね♪メデタシ♪メデタシだ♪」
彼はそう言うと、明らかに決め手は伏せた。
「ここまで話して置いて、それは無いのじゃないかい?」
すると彼は涼しい顔をしながら、こう応えた。
「あれ?そもそも君が聞きたかったのは、君の演じた役割で在って、犯行の立証では無かった筈だがな…私の聴き違いだったかな?」
彼はこの期に及んでシラを切った。私も負けていない。
「それで結局のところ、私の演じた役割とは何だったんだい?それは教えてくれるんだろう?」
「ああ…勿論!」
彼はそう言うと、あわよくば、序でに誤魔化し切ろうとした事は、明らかだったものの、断り切れずに、遂に手札を表した。
「君はコナン・ドイルのホームズに敵役で出て来るモラン大佐を知っているだろう?」
「ああ…勿論さ♪私は此れでも小説家の端くれなんだぜ…知らないともぐりと言うものだ。」
「じゃあモランが獲物を刈る時に、必ず遣る手法も、当然知っているよね?」
「ああ…確か目標の木下に餌にする獲物を繋いで置くんだったかな…あ!あぁ!そう言う事だったのか!」
「あぁ…そう言う事なんだ(^。^;)…悪いね!」
如月中は然も他人事の如き言葉尻で話を終えた。




