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半日が過ぎ、朝も昼も静香と唯が作ってくれた最高の料理を堪能して今の時刻は14時頃。

どうやら本日も両家の大黒柱こと、春日菜月、うちの姉ちゃんと、麻波蓮さん、涼夏の母ちゃんは出張から帰ってこないみたいなので、涼夏と唯で晩御飯の買い出しに行ってくれて居る。


なので俺と麗奈、静香の3人は麻波さん家のリビングでテレビを見ながら談笑をしていたのだが……。


「もしもし!悠太!やっと帰ってきたみたいだ!」

海から興奮気味に電話連絡が来た、主語は無いがようやく静香の両親が家に帰って来たようだ。


「おう、じゃあ早速助っ人2人に連絡取るわ」


まずは山本さんと琥珀さんに連絡を取って時間を決めてから突撃だ。

体が治っていたら俺たちだけで充分なのに、人を頼らざるを得ないのはもどかしい。


今からでも押しかけて、直接フルボッコにしてから山本さんに引き渡したい所だが、急いでは事を仕損じる。

まあ?最強の助っ人2人なので?静香の両親はもう捕まえたも同然、むしろ俺と戦うよりキツい目にあうだろうな……。


「了解した、俺に何か出来ることはあるか?」

「お前は万が一静香の親が出掛けそうだったら引き止めて置いて欲しい」

「それなら安心して良いぞ、静香を探してるんだろうな、今まさに俺ん家の玄関の前で大暴れしてるぞ念の為シャッター閉めといて良かったぜ」

緊急事態じゃねえか、急いで行かないと海が危険だ。

「今すぐ行くから絶対鍵をあけるんじゃねえぞ」

「当たり前だ……あいつらチェーンソー使ってやがる!」


プツッと通話が切れた。

「麗奈、海が危ない、琥珀さんに連絡取れるか?」

コクコクと麗奈が頷く。

「ラインでうちの位置情報を送って合流してもらおう、俺は山本さんに連絡する、オーケー?」

麗奈のグッドサインを確認してスマホの電話帳から山本さんに発信をする。

1コール、2コールして通話が繋がった。

「はいー山本ですー、悠太くんどうしましたー?」

いつも通り間延びしたお姉さんボイスが聞こえ、その頼もしさが何処となく安心させてくれる。

強さに関しては、この人1人で一騎当千だからだな、このお方に琥珀さんまで来るんだ、哀れ罪人、砕け散れ。

虎の威を借るようで嫌だが今は仕方ない。


「静香の両親が帰って来たみたいで、急を要するっすけど、これからうちに来てもらうことってできます?」

「おーけーですよー、車で迎えに行きますので少々お待ちくださいー」

「わざわざすみません、お願いします」

「良いんですよー腕も足もうちの者の所為なので……」


あれ?この人足を折った事を組員の仕業にしようとしてない?

「足は山本さんが……」

「私がどうかしました?急いで行きますので、それでは!」

強制的に通話を遮断された。解せぬ。

足の件に関してはもう許してるから良いんだけどな。

次に買い出しに出かけている幼馴染に電話をかける。


「どしたのー?」

比較的にすぐ繋がった。

「おう、海から連絡が来てな、これから山本さんと合流して静香の家に向かう、後どのくらいで帰ってこれそうだ?」


「今スーパー着いたところだからまだ30分くらいかかるよ!」

「それなら山本さんの方が早そうだな」

いくら涼夏の足が早くても流石に車には勝てない。


「今回は置いてくとか無しだよ!すぐ無理するんだから……!今すぐ戻るから」

「それなら、静香の家はわかるか?スーパーから近ければそのまま向かって欲しい」

「うん、じゃあ唯とそのまま向かうね」

今回唯は巻き込まないつもりだったけど、両親2人に対して、この人数なら危険もないだろ。


「わかった、現地に先についても離れて待機しててくれ、間違っても突入するなよ?」

「悠くんじゃないんだからそんなことしないよ!悠くんこそ前に出て人質に取られるような事ないようにね!」

「あいよ、それじゃ準備するからまた後でな」


幼馴染との通話を終えてソファーから立ち上がる、着替える為だ。

朝から着替えていない為未だパジャマのまま麻波さん家に居座っていた。

「ちょっくら着替えてくる、麗奈、琥珀さんから返信はあった?」

『流石にパジャマのままじゃね(^◇^;)直接向かうから位置情報が欲しいって、静香ちゃんお願いしてもいい?』


「わかりました、任せてください」

よそ行きの服を既に着ている麗奈が静香にスマホを渡し、俺の後をついて来る。


「麗奈はここで待ってても良いんだぞ?着替えたらすぐ戻るし」

麗奈は両手の人差し指で口角を上げ、不恰好な笑顔を作ると口パクで『やくそく』と言った。


「そうか、じゃあ行くぞ」

トイレも見られているし、今更着替えを見られたところで恥ずかしさも何も無いので、そのまま連れて行くことにした。


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