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「いやぁ!私の足は臭くないわよ!」


 唯は髪を振り乱した。


「でも、下の匂いが気になるって言ってたじゃねえか」


「それは、その」


 歯切れが悪い。凄く言いにくそう。だったらこの手の話題を俺の前で、するんじゃない。


「んで?下って何?足じゃねえんだろ?」


「……あぅ」


 狼狽する唯を見てると、少し意地悪したくなる。


「なんて?」


「その、ぱ、ぱん。無理ぃ!涼夏助けて!」


「んー?悠くんの前で女子トーク始めちゃったのは唯でしょー?涼夏ちゃんも下の匂いとか、わかんなーい」


 涼夏は「べー」と舌を出し、ここぞとばかりに唯を煽った。

 


「もしかして……これが女子における下ネタトークってやつ?」


 男友達とする前に、女子の方に混ぜられちった。

 つまりこいつらの中では俺は女子に含まれている。

 見た目の問題とはいえ辛いものがある。


「俺を混ぜるなよ。なんの事だかさっぱりわかんねえ」


「悠太くんだって!パンツくらい履いてるでしょう?」


 下着なんて特に蒸れるんだからしょうがねえ。

 人それぞれ体質が違う、体臭だってそうだ。


「あー!パンツな!パンツくらい誰だってくせえだろ!」


「私のパンツは臭くないわよ!」

 


 臭いはコンプレックスになりやすい。しかもうぜぇことに自分から出る匂いには気付きにくいときたもんだ。

 

 一旦気付くと、どれだけ丁寧にケアしても、話してる相手が鼻を押さえる仕草をしただけで、「あれ?もしかして臭う?」なんて思ったりもする。


 実際唯から漂ってくる匂いはいつも花っぽい匂いだ。

 凹凸がハッキリしてる女性らしい体つき、その分蒸れやすそうだけど、女の子らしく柔らかい花の匂い。


 気にしているのだとしたら、入念な努力をしてるんだと思う。



 唯に近寄って、クンクンと鼻を鳴らす。



「唯はいい匂いだぞ!」


「別に気にしてない!というか嗅がないで!」


 嗅げって言ったり嗅ぐなって言ったり、忙しいやつだ。

 というかこの言葉、今日だけで三回言われた。


「神経質にならなくて良いくらいんだ。お前はいい匂いだから気にすんな」


「違う、違うの、私を臭いキャラにしないでぇ!」


 唯は膝から崩れ落ちて、泣き真似をし、俺の腰に縋り着いた。


「おい、臭かったらどうすんだよ、お前らと違って俺はスカートなんだぞ」


「すごく……いい匂いよ、スンスン」


 つーか嗅ぐな、アソコに顔が近くて恥ずかしいんだよ。


「……麗奈さんと同じ匂い」


「当然だろ」


 一緒に住んでるんだから。

 

「え!麗奈さんとヤったの!?」


「は!?何を!?」


 唯の口が、もごつく。

 なんか話がめちゃ飛躍してる気がするんだが!?

 みんな口をあんぐり開けて俺を見てるし。


「話が脱線しすぎだ!本題に戻ろうぜ!」


 無理やり軌道修正した。

 じゃないとこのままじゃ昼休みが終わっちまう。


 唯は地面から立ち上がり、膝についた砂を払うと、自信満々に胸を張った。


「そもそもこのメンバー集めて良い男いる?って聞く方が間違ってると思うのだけど。で、春日くんは麗奈さんとシタのかしら?」


 一撃で話しを戻しやがった。


「やった」「した」から考えつく、俺と麗奈がやりそうな何か。

 オセロ、料理、宿題、いや男女でやりそうなことだろ?しかもこいつらの興味がありそうなこと。


「……した」


 柔らかかった。不意打ちだったからあまり覚えちゃいないけど、後良い匂いがした。


 唯はフラフラと下がり、近くの壁に寄りかかった。


「な、なんだよ。みんなして面食らいやがって」


 こいつら俺にファーストキスが残ってるとでも思ってんのかよ。

 そんなもん物心着いた時には失ってた。犯人は姉ちゃんだ。


「……私の方が、先に好きだったのに」


 ポツリと涼夏が漏らした。


「お前とだってしたことあるだろ」


「なにい!?」


 美鈴がキレた。涼夏の影から飛び出し、俺に向かって拳を握る。


「ま、待て!ガキの頃の話しだよ!しかも初めては姉ちゃんだぞ!」


「実のお姉さんともシタの!?この不埒者!成敗してやるわ!」


 風を切る音とともに繰り出された拳を、しゃがんでかわす。


「待て待て!そんなパワーで殴ったらお前の手もただじゃ済まないだろ!」


 女の子なんだから、傷になったらどうすんだ。


 美鈴が再び拳を握る。次は当てようと、狙いを澄ましている。


「これ以上私の友達を汚されるくらいなら、私が手を汚すわ!」


 足がズルっと滑った。

 やべぇこのままじゃ当たる!


「キスってきたねえの!?」


 顔面スレスレで、一撃必殺の拳が止まった。


「あ、ああーキスねー」


「なんだ。キスなのね。びっくりしたわ。紛らわしい表現は慎んでちょうだい」


 そもそも抽象的な言葉ではぐらか来たのは、こいつらなのに理不尽すぎだろ。


「ふん」

 ほんのちょっぴりだ、腹が立って顔を横に背けた。


「唯たちがいじめるから、悠くんが拗ねちゃったじゃん」


 嫌だって意思表示をしたのに可愛い表現に当てはめられて、さらに横を向く。このまま首がねじ切れたって構わねえぞ。


「ごめんなさい。悠太くんには少し大人な話しすぎたかしら」

「春日くんにはまだ少し早かったね、本当にごめんね」

 

 謝る気ねえだろ、こいつら。ちくしょう、馬鹿にしやがって。


 

今日は休載と言ったな。あれは嘘だ。

なんか書けたから投稿して眠るるるるる\(❁´∀`❁)ノ

今巻匂いの話多いな笑笑


美少女の足が臭うって、性癖にささる人いる?

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