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Twitterに麗奈ちゃんON The メガネ貼っておきますね

めちゃめちゃ可愛いですよ

@yukinyuki0707

24

「だから代わりに今日は麗奈お姉ちゃんのおにゅーの服を目に焼き付けてください。めちゃめちゃ綺麗なんですから」


「おう、めちゃめちゃ綺麗だな。今日はメガネもつけてくのか」


 いつだったか、俺を悩殺してきた赤い縁の伊達メガネも着用している。

 オシャレに隙がない。


『少しは大人っぽく見える?』


「ああ、語彙力を持ち合わせてなくて申し訳ないくらい大人っぽくていい感じだぞ」


『⁄(⁄ ⁄>⁄д⁄<⁄ ⁄)⁄』


 顔文字なんてもう必要ないくらいには照れてる様子が顔を見るだけで伝わって来るんだけどな。

 


 逆に俺は麗奈の見た目の良さを表現できる力が無くて悔しい。そのくらい今日の麗奈は別嬪さんだ。

 リビングの時計を確認する。今から昼飯を食ってから出れば十分にデートには間に合う。


「じゃあ昼飯適当に作るけど、なんか食いたいものある?」


「チャーハンが食べたいです!」


『お姉さんも!』


 炒飯。The男飯の定番料理だ。


「雪兄のよりは上手くねえぞ?」


 そう。千秋は毎日雪兄の作る飯を食ってるわけだから、舌が肥えてる可能性が高い。

 これは本当に炒飯ですか?なんて言われた日には枕を濡らす。それかそんなに美味しい炒飯が食べたいならその家の子になりなさいって言う。あ、こいつはそこんちの子か。


「悠太の作ってくれる炒飯だから付加価値がつきます」


 え?俺っていつの間にか神格化されてる?


「なんだそりゃ。お前がいいなら良いんだけど、本当に期待すんなよ」


 あの味は真似出来ねえ。とはいえ、雪兄に初めて教えて貰った料理も炒飯だったから多少は自信がある。


「ふふん。ムサイ男が作る炒飯も美味しいですが、男の娘が私達の為に作ってくれた炒飯とは比べものになりません」


「雪兄は爽やかイケメンだろうが」


「……え。悠太はああいうのが好みなんですか?」

『悪いことは言わない。お姉さんにしとこ』


 なるほど分かった。こいつは舌が肥えてる訳じゃなくて目が肥えてやがる。


「俺だって雪兄に恋愛感情なんて持ち合わせてねえよ」


「悠太は自分より身長の高い小学生が好きですもんね。将来性もあってお得ですよね」


『君はスレンダーだけどおしりの大きいお姉さんが好きだよね?お胸だってお姉さんも三次成長期が来るかもしれない』



「とにかく。炒飯です!欲を言えばおにぎりが良いです。可愛い可愛い男の娘が小さな手で握ったおにぎりが食べたいけど、流石にそれを口に出すのは気持ち悪いので炒飯を所望します」


 あれ、俺がこいつに持ってた印象って、小生意気だけど、少し大人ぶったお淑やかなガキだったんだけど、なんか沙織さんに匹敵するくらいのセクハラを受けた気がする。


 聞き違いだよな。やだな。耳悪くなったか?俺も耄碌したもんだ。


「男の娘が握ったおにぎりとか聞こえた気がするんだけど」

『お姉さんも、耳を疑ってる:( ;´꒳`;)』


「おにぎり握ってくれるんですか?」


 可愛いお手手を頬に当て、年齢に似合わない光悦な表情を浮かべる千秋。


 もしかして昨日言ってた女の子が重ねがけしてる仮面ってこれのこと?


「そうか。聞き違いじゃなかったか」


 幻想を抱いていたわけじゃない。純粋無垢なガキだと、決めつけてはいたかもしれねえけど。

「おにぎりの具は要りません。塩も振らなくていいです」

 やべぇ。勝手に語り始めた。


「男の娘の汗を感じたいので、何も飾らなくていいです。そのままを味あわせてください」


「今の話を聞いて、俺がおにぎりを作ると思うか?いい加減気付け。お前は正気じゃない」


『お姉さんもドン引きだよ。沙織と仲良くした?』


「はい!沙織さんは私の師匠です!」

 俺は無言のままキッチンに行き、炒飯を作ることにした。

 麗奈も後をついてくる。

 そして材料を用意して炒飯を作る。汗とか入らないように、いつも以上に気の使った何の変哲もない炒飯を。



 

 


 

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