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「姉ちゃんとは1度話してみるか」


 復讐心があるのか。聞いてみる必要があると思う。


『その時が来るまでは知らないフリをした方がいいと思うよ』


「今の姉ちゃんなら、まだ話が通じそうなんだけど駄目か?」


『うん』


「俺は姉ちゃんの全てを受け入れた上で、許そうと思うんだが」


『そういうのはここ一番で効力を発揮する。今変に刺激してパニックを起こしたら、それこそ話しも出来なくなるかもだよ?』


「そうか。俺が良くても姉ちゃんの準備が出来てないかもしれない……か」


『君は、今ここで私に好きって言われるのと、気持ちが昂った時に言われるのどっちが嬉しい?』


「俺は麗奈に言われるならいつでも最上級なんだけど」


 俺が言うと、麗奈は大きな瞳を真ん丸にして、頬を染めた。


『(´ρ`*)コホン それはお姉さんもそうなんだけどね。ここ一番って時に効力を発揮するの!するんだから!』


「分かった分かった。それで?そのここ一番って、どのタイミング?」


『ピンチの時』


「犯人を目の前に姉ちゃんが舌なめずりをした時?」


『そう。菜月本来の優しさと、狂気が最高潮に入り交じった時。迷いが生じる時が来るからその時だね』


「んじゃあ、俺は犯人を相手にしながら姉ちゃんとも戦わなきゃ行けないかもしれないってことかよ」


『君とお姉さん達が先に犯人を見つけて、菜月を出し抜けなければそうなるね。でも大丈夫。君はひとりじゃない。菜月とは君が対峙しなきゃいけないけど、犯人とは雪人も琥珀も沙織も、お姉さんだって戦える……お姉さんは石を投げるくらいしか出来ないけど( ´ࠔ`* )』

 

 姉ちゃんの実力は恐らく雪兄、琥珀さん以上。そして犯人はなんの躊躇いもなく人を刺すような奴。

 しかも姉ちゃんは頭も良い。犯人に辿り着くための推理は勿論、情報力も俺単体じゃ歯が立たない。


 そんな姉ちゃんを出し抜いて先に犯人を見つけ出さなきゃいけない。


 でも、麗奈の言う通り今の俺は1人じゃない。


「頼りにしてるぜ相棒」


『任せて(๑•̀ㅂ•́)و✧じゃあそろそろ帰ろ』


「そうだな。話も纏まったし帰るか。何か忘れてる気がするけど」


 俺がそう言うと麗奈は、手を合わせてご馳走様をした。

 そうだ。ご馳走様様だ。

「偉いぞ」


 麗奈を褒めてやり、雪兄の店を出た。

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