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朝食を食べ終えた蓮さんと姉ちゃんは、朝から仕事が忙しいようで先に出かけて行ったので、残った麗奈と涼夏、俺の3人で、登校時間までソファーでくつろぐ事にした。
時刻は7時過ぎ、学校までは近いのでまだ時間はある。
「麗奈さんのお引越しどうするの?部屋の解約手続きもしないとね」
涼夏が疑問に思ったのか聞いてくる。
確かにそうだ、今月分はもう払っているだろうから、いいとして早めにしておかないと月が変わると無駄に金がかかってしまう。
『大家さんに昨日の夜ラインを送っておいたから解約については大丈夫だよ(о´∀`о)』
「なら後は家具の移動か」
『ベッドと家電は処分するから衣類だけだね(*゜▽゜*)』
運び出しは雪兄に手伝ってもらうか。リサイクルショップまで持っていけば買い取ってくれるだろう。
「ベッドを処分……?もしかして一緒に寝てるの!?」
予想外だったのか、涼夏が反応した。
好きな人が異性と布団を共にしていたら良い気はしないよな…。
今にも怒り出しそうな涼夏の耳にそっと口を寄せ、耳打ちする。
「姉ちゃんがどうしてもって聞かなくてな…後麗奈は俺の事ほぼ女として扱ってる」
「だとしても!むうううう!」
可愛く頬を膨らませて怒り心頭だ。
『涼夏ちゃん、お1人が長かったから寂しくてつい、ごめんね(>人<;)今日から1人で寝るよ』
麗奈も涼夏のむくれ様に、気を使ってくれたようだ。
ここに姉ちゃんがいなくてよかった、みんなで寝れば解決よ。って言い出す事間違いない。
「いいですよ、麗奈さんもあんな事があって不安な事もあるでしょ!!悠くんでよければ安眠につかってやってください!」
色んな感情を押し込めるように涼夏が言葉を発する。
俺や麗奈に、恋愛感情は無くともまた無理させてしまうのか…?それはだめだ。
「よ、よかったら涼夏も一緒に寝るか?」
「いいよ!あのダブルベッドに4人はきついし、お母さんも寂しがるからねっそれに」
良かった、無理はしてないようだ。
「いい女は慌てず、黙って待つ!それに今は毎日会えるから余裕なのです!」
『おー!涼夏ちゃんかっこいい!頼りになる!(((o(*゜▽゜*)o)))♡』
「麗奈さんも困った時は私を頼ってくださいねっ、涼えもんに任せれば何でも解決しちゃいますから!」
得意げに無い胸を張って、トンと自分の胸を叩いた。
『涼夏ちゃん……!(*゜▽゜*)』
「麗奈さん……!」
目の前で美少女2人がギュッと抱きしめあっている。
百合もいいものだな、心が浄化される。
悠×雪より断然こっちの方が良いな!断然いいな!
「あ、悠くん仲間外れにしちゃった」
涼夏が俺の手を取り間に挟む。
「ばっかお前、百合の間に入ろうとする男は死ななきゃいけないんだ、俺に構わず続けてくれ」
目の前の光景が綺麗すぎて思わず変なことを口走ってしまった。
『大丈夫、君も女の子みたいなものだから、実質百合(^-^)b』
「確かに、百合の間に入る男の娘だから大丈夫だよ」
なすがままに素晴らしい世界に混ぜられるのであった。
百合百合しすぎて今日も遅れそうになったのは、姉ちゃん達には内緒だ。