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時刻は6時、今日も今日とて解けない腕に悩まされて居る。

俺の右隣で眠る麗奈もまだスヤスヤと静かに寝息を立てて居る。

取り敢えず起きやすそうな麗奈から起こすとするか。

「麗奈、起きて麗奈」

空いている片手で麗奈の肩を揺する。

するとスイッチが入ったようにぱちっと目を開けた。

朝は強いようだ。

近くに置いてあったスマホを手に取り、文字を打ち込んでいく。

『おはよう(=´∀`)同じ空間に人が居るって良いね、お陰でぐっすり眠れたよ(*゜▽゜*)』

麗奈も不眠気味だったのだろうか。

「おはよう麗奈、早速だけど少し手を借りて良いか?」


『いいよ、何すれば良いの?(о´∀`о)』


「姉ちゃんを起こして欲しいんだ、簡単に起きないし絡みついて離してくれないんだ」


『わかったよ(^_^*)お姉さんに任せて!』

麗奈が立ち上がり、俺を跨いで姉ちゃんの背後へ。

そして、姉ちゃんの顔に手を近づけると鼻を指で摘んだ。

1.2.3.4.5秒と時が過ぎる、姉ちゃんの顔が段々と不快な表情に変わっていく。


「んー!ぷはっなになに?どうしたの!?」


酸素が足りなくなり飛び起きた姉ちゃんは今日も混乱しているようだ。

『どう?お姉さん、君の役に立った!?(((o(*゜▽゜*)o)))』


「上出来だ、麗奈。姉ちゃんおはよう、朝だぞ」


『お姉ちゃんおはよう(*゜▽゜*)』


「2人ともおはよう、起してくれてありがとう」

三日目ともなると現状を理解したのか落ち着きを取り戻している。

「着替えて顔洗って、お隣さんちに行くぞ」

『お隣さんち?(^^)』

「おう、隣に幼馴染が住んでて、朝食は一緒に取ってるんだ」

『男の人はいない?(^^;』

無表情だが、心配しているようだ。


「いないよ、幼馴染も女の子だし、お母さんしかいないから安心してくれ」


『ならよかった(о´∀`о)じゃあお着替え行こっか、お姉さんも!』


「そうね、呼びに来てもらってばかりだし、今日は早く行来ましょうか」

ベットから立ち上がり、各自自分の部屋で着替えようと寝室を出る。

自室に、入ろうとドアノブに手をやると、肩をトントンと叩かれた。

『琥珀は着替えさせてくれたけど、君も着替えさせてくれる?(*'▽'*)』

無視して部屋に入って鍵を閉めた。

どうせ嘘だ、放っておこう。




着替えを済ませた俺たちは麻波家のリビングに集まった。

もちろん麗奈もしっかり着替えている。

「およ?おはよう!今日は菜月さんちゃんと起きれたんだね!」

呼びに来る前に来た事に驚いているようだ。

「おう、おはよう、今日は麗奈が起してくれたんだ」

「おはよう涼夏」

当の麗奈は俺の後ろで胸を張っているが、反対に姉ちゃんは小さく挨拶を返し、罰が悪そうにしている。

「おおー!あの菜月さんを起こすなんて麗奈さんすごいですね!…あ、私は悠くんの幼馴染で涼夏って言います!麗奈さんの事情は悠くんから聞いてます。仲良くしてくださいね!」


『鼻を摘めば楽勝( ̄∇ ̄)涼夏ちゃん、この通り話せないから筆談になるけどよろしくね(о´∀`о)』

「菜月ちゃんと悠太くんおはよう。麗奈ちゃんは初めましてね〜私は蓮、涼夏の母親よ〜、菜月ちゃんと悠太くんの親代わりでもあるわ、麗奈ちゃんの事も娘のように接していくからよろしくね〜」

朝食を作り終えたのか、キッチンから蓮さんが出てきた。

『初めまして、昨日からお世話になってます。不束者ですがよろしくお願いします(>人<;)』


「そんな硬っ苦しくなくていいわよっ、ほら座ってご飯食べましょ〜」



挨拶もほどほどに蓮さんの掛け声で席につき、朝食を頂く。

食べてる途中、麗奈から肩を叩かれて目線を向けると、口パクで『おいしいね』って言われたのは、なんか可愛かった。



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