表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/667

31頁


ジャバジャバとスポンジで洗い終わった皿を水で流して行く。

にしても、転入当日からいろんなことがあった。全てが予想の上を行き過ぎていて振り回されてばかりだ。

クラスに友達ができるなんて思ってなかったからな、涼夏のお陰だ。

美鈴、唯、宝井さん、海、みんな良いやつだ。

美鈴には、散々睨まれたり、襟首を掴まれて引きづられたりして喧嘩になりかけたけど、それも涼夏の事を思ってのことで、逆に申し訳なくなった。


まさか出会ったばかりの麗奈と同居するとも思ってなかったな。

たまたま助けた女の子が同じ事件の被害者で、声と表情を失い、男性恐怖症になった彼女に、顔が女の子みたいだから怖くないと言う理由で気に入られた。


生活力も無く、生に対して執着がないのか、危機管理の意識も低い麗奈を俺も同じ立場ながら、助けたいと思った。

そして幼馴染の手助けで同居…。

自分の感情こそあれど、これこそ偶然にしては出来過ぎている。

でもまあ、底なしに優しい姉ちゃん達のことだから偶然なのだろう。



「男子三日会わざれば刮目してみよって言うけど、初日で変化があったみたいね」

一日の出来事を振り返っていると麗奈を風呂に案内した姉ちゃんが戻ってきた。


「うっす」

自分の考えを見透かされたようで恥ずかしくなり、短い返事を返す。

姉ちゃんがキッチンカウンターの対面に立ち、体重をカウンターに預ける様に肘をついてこちらも見ている。


「いつか、3人でトラウマを克服出来るといいわね」


「姉ちゃんにも…あるのか?」


「勿論あるわよ、私ね、夜中になるとあの光景を思い出して家族が一緒じゃないと眠れないの…なんだかあの不審者が来る気がしてね」


だから添い寝に関して一歩も引かないのか。

「実家ではお母さんが一緒に寝てくれたから良かったんだけどね」

「そうだったのか…、事件現場も近いし、思い出も詰まったこの街に戻ってきて良かったのか?」


原因になった場所に戻るのは当然、俺もそうだがフラッシュバックを引き起こしやすい。

涼夏や蓮さん、雪兄がいるとは言え、犯人も捕まっていない…姉ちゃんが何故ここを選んだのだろうか。


「良いのよ。全てが終わったら話すわね、だからそれまでは一緒に寝るのよ」


全てが解決、ではなく全てが終わったら?

姉ちゃんは何を終わらせるつもりなんだろう。


「あぁ、それで姉ちゃんが安心して眠れるなら良いよ」


「ふふ、ありがとうね。打ち明けて良かったわ」

ガチャ、パタン。

皿洗いを終わらせてあれから15分程、姉ちゃんと話して居ると風呂から上がった麗奈がリビングに入ってきた。肌色の多いバスタオル一枚で…

目のやり場に困るので急いで下を向く。

肩をトントンされ、眼前にスマホを差し込まれた。

『パジャマ忘れた!(゜∀゜)』

だからって男の前にほぼ裸で出てくるか?

「麗奈ちゃん、それは流石にはしたないわ、お姉ちゃんのパジャマを貸してあげるからおいで」


『はしたない??ありがとうお姉ちゃん!(//∇//)』


「悠太もお風呂入っておいで、出たら寝るわよ」

と言い残し姉ちゃんは麗奈を連れて出て行った。

まだ心臓がバクバクしてやがる…決して巨乳では無く、どちらかと言うと貧乳な方だったが全体のバランスが良かったです、まる



常識の方は姉ちゃんが何とかしてくれるだろうから俺は生活面で助けていこう…。

これから先の未来に少しの不安と楽しみを覚える俺であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ