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企画をやりますので活動報告をご覧ください


目の前に置かれた料理が爆速で涼夏の腹の中へと消えていく今朝と同じ光景を目の当たりにしつつ、俺の大好きなエビフライだけは多めに死守させてもらった。

衣のサクッとした食感とプリプリな海老の食感、ソースの味がたまらなく、食欲を誘う。


美味い。これを毎日食べられるなら毎日誰かの誕生日を祝ってもいい、いやむしろ祝わせて欲しい。


「おう悠太、楽しんでるか?どうせ涼夏が食べ尽くすと思ってそっちのテーブルの分はまだ他に取ってあるから無くなったら言ってくれ!」


エビフライに舌鼓を打っていると雪兄が料理の残りを確認しにきた。

無論フードファイターと呼んでも差し支えが無い涼夏がいるこちらのテーブルは、蓮さん1人が抜けたからと言ってペースが落ちるわけがなく、もう半分以上が奴の腹に収まっている。


「エビフライはまだあるのか?」


「お前エビフライ好きだからな!安心しろ!それも多めに作ってあるぞ」


この瞬間だけはお兄ちゃんと呼んでやろうか?いや、やめておこう調子に乗って嬉しくなった雪兄が、このめでたい席でデリカシーのない発言を連発した雪兄がしばかれる姿が目に浮かんだ。


「雪人さん!」


「お、おお、どうした涼夏」

「おかわり!!!!!」

勢いをつけて雪兄に突きつけられたのは山盛りのチャーハンが盛られていた大皿だ。

チャーハンは跡形もなく消し去られ、米の一粒すら残っていない。


「よく食うな、涼夏は、本当料理人冥利に尽きるぞ!ハッハッハ!けど、麗奈の分も残してあげないと駄目だぞ」

麗奈が目を丸くしてチャーハンの皿を見た後、恨めしそうに涼夏を見ていた。

チャーハンが好きなのか?そう言えばいつも、出した物を喜んでたべるから麗奈の好物とかあんま知らないんだよな。


それどころか色んな物の好みを知らない気がする。

唯一知っているとしたら、おねショタと呼ばれる物が好きと言うことだけ……。


「麗奈はチャーハン好きなのか?」

『昔お父さんがよく作ってくれたから好きだよ(๑˃̵ᴗ˂̵)』

この際だから少し麗奈について知っておこう。

「他に好きな食べ物とかないのか?」


『アイス!後は悠太のココアと、んー玉子焼き』

「私も玉子焼き大好き!」

お前は玉子焼きに限らず人間が食べれる食べ物は何でも好きだろ。

そう言えば、この食卓には玉子焼きが並んでないな。

そもそも麗奈が来てから玉子焼きを作った事が一度もない気がする、今度作ってやるか。


「これは明日の朝は悠太が玉子焼きを作ってくれるんじゃないか?」

雪兄がそう言うと、恐らく俺以外にはわからない程度に期待を込めた瞳で、麗奈が俺を見ている。


本当にデリカシーも無ければ空気も読めない奴め。

こう言うのは黙っといて後日しれっと出すからいいんじゃないか。

雪兄のほっぺを摘んで引っ張る。

「ブハー!!!意地らしい男の娘が精一杯背伸びしてデリカシー皆無系イケメンお兄さんのほっぺを引っ張るなんて溜まりませんわぁ!!!!」

「なっ!!桜さんそこ変わってくださいよ!!!!」

「私が変わろうかしら?ねえ雪人さん?」


その場で沸き立つパッションを解き放っているのは沙織さん、雪兄と場所を代わろうとしているのが神田さんと唯。みんな違ってみんな怖いよぅ。


周りの反応に振り返って苦い顔をしていると不意に後ろから抱きしめられた。

「ハッハッハ。こいつは俺のだ。誰もにもやらん!」

こいつの兄としての立場は俺のものだ。と言いたかったのだろうが、見事に語弊を生む言い方をしやがった。


「………………」

それによって腐女子。沙織さんはドシン!と大きな音を立てて椅子からひっくり返ると、無言のまま動かなくなった。


戦闘力で言うとこの中では一番強いが、沙織さん1人を倒したところで、鬼のような形相をした4人が、今にも雪兄を攻撃しそうな雰囲気を醸し出している。


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