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立花先生に連れられ教室の前までやってきた。


涼夏は在校生なので先に教室の中に入り、今は2人きり…

「俺、入れって言われるまでここにいた方がいいすか?」

転入生のしきたりみたいなものだ。


「男にそういうの必要ないだろ、いくぞ」

「うっす」


ガラガラ。教室の扉を開き、立花先生が中に入っていったので続いて中に入る。

「おー席につけー、転入生の春日悠太くんだー、席は面倒だから麻波の隣だー、座れー」


立花に言われ、涼夏の方を見ると涼夏の両隣は既に埋まっている…それにしても適当すぎないか?自己紹介とか面倒だから構わないけど。


「先生ー麻波さんの隣には山田くんと田中くんが座ってまーす」

クラスの委員長なのだろう、女の子が山田くんと田中くんの存在をアピールする。

すると、山田くんと田中くんがあからさまに嫌そうな顔をしている…2人とも涼夏に少なからず好意を寄せているのだろう。


「おう、山田、お前1番後ろの右端に移れ、文句は言うなよ、譲り合い精神だからな、これで解決だ」

暴君だ、こんなことが許されていいのか…

確かに知らない環境なので幼馴染の涼夏が隣にいてくれた方が安心する、だが、同じクラスなので聞く事はいつでもできる。

泣きそうな山田くんを嫌々移らせるまでも無い…と自ら1番後ろを進言しようとした時、現教室の隅っこに目をやる。


そこには今朝方知り合った、佐々木美鈴がこちらを射殺さんばかりの目付きでこちらを睨んでいた。


ごめんな山田くん、俺はまだ命が惜しい。

トボトボと空いている席に移動する山田くんに、機会があったら優しくしてあげようと心に誓った。


「先生、後紹介が適当すぎます、せめて自己紹介くらいさせてあげてください」

「男の自己紹介とか要らんだろう、まあいいか、手短にしろ」

どこまでも腹立つ奴だ。


「えっと、今日から世話になる、春日悠太だ。涼夏とは幼馴染で、こう見えて男だ…よろしく」

「ほら、俺の紹介の通りだ、質問タイムとかは各自休み時間にやってくれ」

自己紹介しても立花とそんなに変わらなかった。

それどころかこちらを睨む目が2人分に増えた…。


「じゃあ、座れ。ホームルームを始めるぞー」

言われた通りに席に着くと涼夏がご機嫌そうな笑みでこちらに手を振っていたが、引き立った顔で軽く手をあげ返すことしかできなかった。

俺はこの先このクラスでうまくやっていけるのだろうか…


ああ、涼夏の反応で殺気が3人分に増えたよ…。



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