告白されすぎて疲れた(プロローグ)
また告白されてるよ、私……。
私は、今の状況に対する、ときめきのようなものが微塵もなかった。
だって、今私に告白してる男の子、別に私の好きな人じゃないし。
「ごめんね」
私はそう小さくつぶやいて、告白を断った。
はーあ。
ていうか私に告白してきた人は本当に私のことが好きなのかな。
まあわざわざ勇気を出して言うくらいだからそうなんだろうね。
私、誰かに告白しようなんて絶対思えないし。
あ、仮に好きな人ができたとしたらの話ね。
今はいない。
あんまりそんな誰かと二人でデートに行ったり、楽しく過ごしたいとも思わない。
私とそうしたいと思って告白してくれる人に、なんでそう思ったか聞けばよかった。
でも、振る気満々なのにそんなこと聞くのもなあ。
ふーう。
あれ?
またいるよあの人。
屋上の隅にいっつもいる人。
基本的に屋上には、告白しにくる人とされる人、いちゃいちゃしたいリア充カップルしかいない。
だからなんで彼がいるのかは不思議。
屋上の隅に一人いる彼は、いつも本を読んでいる。
正直風も吹いてて砂も飛んでくるし、読書を快適に行う場所としてふさわしいのかな? って思う。
でも、私が告白されている時、毎回彼はあそこで本を読んでいる。
ということは、暇さえあればいつもあそこに来ていると考えるのが自然だ。
いやすごいメンタル。
だってカップルか告白関係の人しかいないんだよここ。
そんな中でなんでいつも一人で本読んでられるんだろう?
メンタルがすごいというか不思議である。
そんな彼に、私は興味がわいてきた、かもしれない。
でもそれは好きとかではない。
ただもしかしたら、今まで告白してきた男子たちよりは、私と合うのかな、と思ったりした。
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