これは東京が抗いようもなく少しずつ壊されていく物語。
どれくらい続くかわかりませんが少しづつ書いていこうと思います。
2021年3月11日午後2時46分。
都内のM大学近くの道路を私は歩いていた。
首都高を見上げた私の目の前にそれは現れた。
ビヨーン
橋脚で支えられた分厚く重たそうな首都高速道路のボディー。
その裏側には白色の板がかぶせてあるのだが、その板からそれははがれるように現れた。
数車線分の幅がある首都高。その裏側がベロンと剥がれたように見えた。
半透明の白っぽい何か。
厚さがあるようには見えないがとにかく薄っぺらい。
そしてこちらをギョロッとみる一つの巨大な眼。
ニィ―と横に裂けるように開いた真っ赤な口。
そこから垂れ下がる気味の悪い大きな布団のような紫色のベロ。
それは薄っぺらく白っぽいからだと思しき部分を上下にうねうねとくねらせた。
同時に首都高の陸橋もうねうねと揺れているように見える。
何が起きてるんだ。
それがさらにうねうねと動いて完全に陸橋の裏側からはがれてふわりと宙に浮くと、同時に轟音を立てて首都高はおよそ40数メートルにわたって崩落した。。。
目の前で起きた出来事を私は信じることができない。
崩落事故に巻き込まれた人々の阿鼻叫喚が耳に入ってくる。
だが、崩れた首都高の上の空中にフワフワと漂う不気味なそれから私は目が離せない。
それは私の方をじっと見てニヤァーと笑っている。
どれだけ時間がたったかわからない。
それはまたニヤァーとこっちを見つめがなら笑うと首都高に沿ってその橋脚の間を縫いながらにょろにょろと遠くへ消えてしまった。
読んでくださりありがとうございました。
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