図書室散策
朝ごはんも食べたし、今日何しようかな〜
そう言えば前世の記憶が戻ってから、勉強したい意欲が。。。
手っ取り早く図書室にでもいくか〜
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(ついた〜)
公爵家って広いなぁ。図書室っていうより、図書館じゃない。
前世で培った速読術はまだ今世でも使えるのかな?
ま、まだ6歳だしなんとでもなるか。
歴史書読みたいな〜
探すの骨が折れる作業になりそうだな〜
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「広すぎ!!」
まじ広すぎて、歴史の”れ”の字も見つからない。
疲れたし、図鑑でも読もう。
目の前にあるし、図鑑の棚から制覇しようかな。
(お!これ面白そう)
「魔物の生息・生態」
「この世界って、魔物がいるのか。RPGの世界みたい」
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あ、やば。日が暮れてきた。うわ、もう6時。9時間近く図書室にいたのか。
みんなもう夕食食べちゃったかな。
いつも5時半には食べてるし、みんな忙しいし。
まあいっか。厨房で食事受け取って部屋で食べて、そのあと素振りしよ〜
そういえば、誰も私を探しに来なかったわね。
自分で言うのもアレだけど、私これでもシアーズ家の愛娘なんだけど。
誘拐でもされたらどうするんだか。というか、使用人の名前サラン以外知らない。
”ユナ”は随分と興味がなかったみたいね。
「お嬢様!どうしました?」
「夕食を取りに来たのだけど。」
「え?皆さん食堂でお嬢様のことを待っていると思いますよ。」
「ん?いつも6時前には食べ終わってるじゃない。みんなもう食べ終わっているはずでしょう。」
「いつもより1時間は遅れているわよ。さすがにいないんじゃないかしら。」
「ちょっと待っていてくださいね。確認して参りますから。」
いやさすがに1時間も待っていたらすごいと思うけど。私が時間を確認しなかったのも悪いとは思うけど、誰も呼びに来なかったし、さすがに待っていたらおかしいでしょう。
「お嬢様、旦那様達はまだお嬢様をお待ちですが。」
「食堂までお送りしましょうか?」
「それとも、お部屋でお食事をお取りになりますか?」
「待っていてもらったのに謝罪もなしに一人で食事を取るのは申し訳ないから、食堂に行くわ。」
「親しき仲にも礼儀ありっていうし。」
「それと、食堂には一人で行くわね。料理長も明日の仕込みとかもあるだろうし。」
「分かりました。」
「ええ。いつもご苦労様。」
このやりとりを見ていた料理人や使用人たちは今までのユナとは思えないその言葉遣いに驚いており、平静に装っていた料理長も内心心臓がばくばくしていた。