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私に構わないで!悪役令嬢だから。  作者: あみーご
第2章 7歳・新しい出会い
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バラ園散策

その後もお茶を飲んだり当たり障りのない会話をして時間が過ぎていった。ただ、忙しいはずの両陛下が7歳児とお茶をするその光景は異質過ぎるのではないかと気づいた。


「あの、お忙しいのに私なんかとお茶してていいんですか?」


「王というのは割と暇でな、基本的にライナスや宰相からまわされる書類の署名をするだけでそこまで忙しくはない」

「今日はライナスも宰相も来ておるし、私がすることなど少ししかない」


「私もね、城の人事管理や公務が主な仕事だし、社交シーズン以外はそんなに忙しくないの。」


「そうなのですか。ただ私この状況にかなり戸惑いを覚えていて」

「お忘れかもしれないですけど、私7歳でお茶会デビューすらもしていないので王宮に来ること自体不自然だと思うのですが」


正直忙しいはずだという理由付けでお開きになると思ったら忙しくないと否定されてしまった。私は如何にかしてこの不自然かつ緊張するこの場から逃げたい。お父様と一緒に帰らないといけないから、時間は潰さなきゃいけないけど。


「あの、庭園とか見学しても大丈夫ですか?」

「滅多に王宮に入ることができないと思うので是非行ってみたいのですがいいですか?」


「滅多に来れないなんて言わないで頻繁に来てくれてもいいのに。。。」

「庭園は何ヶ所かあるんだけど一番近いところはバラ園なんだけど」


「バラ園!行ってみたいです!!」


いつも通り自分の心の思うままに行動してしまい、寂しがる陛下をなだめて、帰る前に執務室に寄ることを約束した。その後騎士の方にバラ園まで送ってもらった。


バラ園は思いの外カラフルで広く休憩スペースまであった。三つ子の妖精のルチルとメラルとレナを呼び出し、魔法の練習や薔薇の種類や構造を教えてもらった。図書室の図鑑にも描いてあったものの、この世界写真がないので実物を見て学ぶのはとても楽しく頭に入りやすかった。


「「「ユナ!花の創造魔法を教えるね!」」」

「これは私たちの魔法を掛け合わせたちょっと難しめの魔法だけどとっても楽しいよ!」


レナが植物の創造魔法について教えてくれた。創造魔法は緑と木と土魔法を掛け合わせて植物を創るらしい。ただ植物の形態によって木魔法を使わないこともあるらしい。今やろうとしている薔薇は低木なので三つの魔法を掛け合わすみたい。


「この魔法の詠唱はなくって三種類の魔力と植物の構造のイメージが大事なの!」


「頑張る!」


「薔薇は根が出て、花を支える花枝が出て、刺が生えて、花枝から花柄が出る。」

「小葉が花柄から生えて、そして5枚のがくに支えられる薔薇の花が出るの。」

「この工程を頭の中でイメージしてみて!」


説明をご丁寧にしてもらったので割と頭の中に薔薇の構造が入り、なんとなくできる気がしてきた。


「やってみるね!」


全身に感じる魔力の中から緑・木・土の魔力を感じ取りさっきレナに教えてもらったようにイメージを魔力に乗せてみる。すると土と花枝が第一段階として創れた。その後刺を出そうとしたが、出す前に刺が下向きに生えていることを思い出し間一髪のところで脳内修正した。そして最も大事な花の部分を支えている花柄を小葉と共に創り出し、最後にがくと薔薇の花を開かせた。蕾にしようかとも悩んだが、花が開いているところを見たかったので魔法で花を開花させた。


「綺麗にできてるね!」

「上出来!」

「凄い!」


3人とも褒めてくれたので私的には満足だった。そして、思った青い薔薇は可能なのかと。


「ねぇ、青い薔薇ってないの?」


「「「んー。見たことない!」」」


創造魔法はある意味無限の可能性を感じている私は出来心でやってみたくなった。先ほどと同じイメージだったが花の色のイメージを青にした。


できた。


前世では色を後からつけた青薔薇しか見た事がなかったので感動してしまった。折角創ったので持ち帰ることにした。私のガーデニングコレクションに入れようかなと思った。



ーーーーーーーーーー


妖精たちとバラ園を散策していたら、男の子がこちらを見ていた。その子はおそらく私より少しだけ年上だということだけが窺えた。

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