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私に構わないで!悪役令嬢だから。  作者: あみーご
第2章 7歳・新しい出会い
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お茶会

週末、宿題を終わらせてウキウキしながら別棟に向かおうとしたところお父様に止められた。そしてお父様の仕事場に一緒について来て欲しいと言われ、何故だか身支度をされている。いつもの簡素なワンピースではなくセミフォーマルなワンピースに着替え、お父様と一緒に馬車に乗りこんだ。


「私は何しに王城に行くんでしょうか。」

「お父様はお仕事でしょうが、私は行く理由がありません」


「んー。ごめんな。」

「着いたら分かるから」


お父様は苦笑しながら一切の説明もなく馬車に揺られ王城に向かった。いつもの走り回れる丈のワンピースではなくくるぶしが隠れるほどの長さなのですごく邪魔。しかも外に行くとマナーや令嬢らしさを気にしないといけないのであらかじめ何があるのかを教えて欲しいものだ。


ーーーーーーーーーー


王宮に着き、お父様の跡を追う。記念パーティーの時とは違い王宮の中に足を踏み入れている。長い廊下をお父様と二人歩いているがいまだに何故私が来たのかも、どこに向かっているのかも知らない。そして無言で歩いているので私たちの靴音が廊下に響いている。


そして長い廊下の先に大きな扉があり騎士が二人ドアの前に立っていた。何となく直感であの人がいるんだろうなと言う予想がついた。連れてこられた理由は全くもって不明だが。


お父様が扉をノックもなしに開けると、そこにはお茶を飲んでいる国王夫妻がおりますます謎が深まった。前回楽しくお話をしたが、遊びに来てというのはあくまで社交辞令として受け取っていた為この事態は異常すぎる。こんな早くまたお会いする機会があるとは思っていなかったのと、婚約者候補の件は拒否したので当分外出する気もなくましてや王城に遊びに来るなんて思ってもいなかった。


「久しぶりだな。ユナ。」


陛下は私に手を振りながらめっちゃいい笑顔で久しぶりと言っているが久しぶりと言うほど日は経っていない。だが久しぶりと言われたら久しぶりと返す他ないので、


「陛下、王妃様もお久しぶりです。」

「前回お会いした時はありがとうございました。とても楽しかったです。」

「お話しするのに夢中になってしまい、失礼なことをしていなかったですか?」


「私らも楽しかったぞ。」

「そんなことより、一緒にお茶しよう。」


そう言って陛下は私に椅子を用意してくれて、半ば強引に手を引かれ座らされた。


「ライナスはもう行っていいぞ。」

「仕事がまだ残っているだろう。」


お父様は陛下を睨んでいるが仕事が残っているようで部屋を出ていった。ちょっと待てよ、お父様は私に何も言わずに今日の目的を教えず出ていった。つまり私はこれからどうなるのだろうか。


「あの、今日はどういった理由で私は連れてこられたんでしょうか。」

「お父様はついたら分かるとおっしゃって。。。」


「それはね、お茶会よ」


、、、?お、ちゃ、か、い?


「お二人とですか?」


「ええ。」


あーどうしよう。頭痛がしてきた。前回あれだけ喋れたのも交流の場にいたからでこんな図々しくお茶をするのは躊躇われる。お二人とも優しそうな笑みを浮かべてはいるものの安定した国をつくった張本人たちに失礼なことをしたら。地雷がどこにあるか分からないように両陛下の笑顔の裏に何があるかが分からない私は最終的にどうにでもなれと思い、その場を楽しむことに決めた。


「ねぇ、ユナちゃん。」


「はい。」


「婚約者はもう決まってる?」


「いえ。」


「私の息子なんてどう?」


ああ、ヤバイ。早々から地雷を踏み抜いた気がしてならない。お断りしたことをお聞きになっていないのか、それとも何か思惑があってか。息子はどう?って言うフレーズ聞いたことがないでもないけど、王妃様にとっての息子って王太子だからなぁ。


「お父様とお話しする機会があったのですが、結婚に関しては政略的なものでなくても良いとおっしゃってくれているので婚約者の話は後々しようと言うことになりまして、私自身恋愛結婚に憧れがありまして」


「そう。今度会ってみない?」


「お会いするのは遠慮させていただきます。」

「王太子殿下はお忙しいでしょうし、私もあと2年ばかりでお茶会に出席する年になるのでお会いできる機会も増えると思いますので。」


「そう?残念ねぇ」


なんとかこの話題を切り抜けられそう。前世の母親の執着な結婚催促に似たものを感じた私はかなり頑張ったと思う。


「ユナ、ライナスから聞いたが家庭教師をつけたらしいな。」


「あ、はい。コフィン伯爵家のハロルド様に教えてもらっています。」

「まだ3回しかお会いしていないのもあって、授業はまだ受けていないのですが」

「宿題が大変で今日もお昼前までお勉強してました。」


「どんな宿題なんだ?」


「10年ほど前に起きた厄災時の資料や本を読んで要約したものを提出するように言われたのですが、思ったより予備知識や情景描写が鮮明で要約するのが難しかったです。」


「そうか。」


陛下は含みのある笑顔で聴いており何か変なことを言ったか疑問に思ったがその会話のすぐ後にお菓子を勧められてしまったので私の興味はお菓子に向いてしまった。

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