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私に構わないで!悪役令嬢だから。  作者: あみーご
第2章 7歳・新しい出会い
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娘が可愛い ーライナス視点

我が家は公爵家の筆頭でもあり、貴族の筆頭でもある。公爵家の人間なのにも関わらず私は恋愛結婚が許され、娘が生まれた。ユナは少し我が儘であったが両親である私とアリスに甘えてくるところが可愛くて少しばかりの我が儘など大したことではないと思っていた。社交界にでれば人は善意だけではないことを実感するし、それまでは純粋でいて欲しいと願っていた。


ある日アリスの兄であるアガスティン辺境伯が亡くなったことを聞き息子二人はアリスの父の弟、彼らの大叔父が引き取ることになったと言った。だが1年経ったある日アガスティン辺境伯の領地運営においての資料を見た時税率が上がっていることに気づき、養子となった甥たちが心配になった。税率が上がったと言っても大幅に上がったわけではないが、少しでも上がったのならば何かしらのトラブルがあったということで辺境伯には別に2人の息子がいるので視察に行った。案の定辺境伯は過剰な支出をしており甥二人を引き取ることとなった。


二人が養子になって一年経ったある日娘のユナが気を失い3日ほど目を覚さなかった。目を覚ました時私達は大慌てだったがユナはけろっとして笑っていた。しかも、いつもと違い大人っぽい言動にいつもは甘えん坊のユナがなんのワガママも言わずしかも疲れたから休むと言って私たちは実質部屋から追い出された。


その後ユナは聞き分けが良い子になりぷにぷにしていた腕や顔はいつの間にか痩せており以前より可愛さや綺麗さが増した。以前なら屋敷で仕事中に遊びに来てくれていた娘がぱったり姿を見せなくなった。それどころか日中娘を見るものは居なくなりユナ本人に聞いてもはぐらかされたり、秘密と言って教えてくれずだがそこまで気にもしていなく。ただ少し寂しいなと思ったくらいだった。


だからこそ、陛下にちょっと挨拶をしようと思っただけだったはずがそこでユナは7歳にして両陛下の懐に入りふられた話題や質問などから話を展開していった。その場にいた私たちは開いた口が塞がらなかった。それはアリスやリオンたちも同じでしかも日中図書室なんて思っても見なかった。しかも話を深く聞くともうすぐ図書室にある本を読み切るというので自分の娘は天才なのかと悩んだ。


ユナが会話を楽しんでおり、入る隙もなく私たち家族はユナを遠くから見守っていた。ユナが会釈をしたので終わったのかと察し、どんな話をしたかなどを聞こうと思っていたら何故かリオンとリントに料理を取りに行かないかと誘っており娘のメンタルの強さに少しだけ引いてしまった。


料理を取り戻ってきたユナが私にお肉を食べさせてくれ、味こそ覚えていないが幸福な気持ちになり胸にその瞬間を焼き付けた。貴族のいる場面では空気の読み合いや本音の隠し合いなど面倒ごとが多いが娘がいるだけで心暖かかった。


ーーーーーーーーーー


翌日仕事に行くと王であり上司でもあるストリバー陛下からユナには婚約者がいるのか尋ねられた。


「いないが。」


公式では敬語を使い一応敬ってはいるが非公式の場では幼なじみで学友でもあった為崩れた話し方にしている。陛下は不満がある様だが側近についている他の者たちも同様な為変えようなど微塵も思わない。その為普通は不敬と捉えられてもおかしくない様な睨みを陛下に向け婚約者の有無について答えた。


「うちの息子はどうだ?」


「ダメだ。」


なんとなく察していたが直球で聞いてきた。普通は国王からの打診だった場合受け入れるのが当たり前とされているが、私は断固として拒否をする。愛娘を貴族のややこしい事情やいざこざをあまり気にして欲しくない、そして政略結婚をせずとも我が家は栄えているし何より勝手に婚約者を決めてユナに嫌われたくない。


「一度だけ会わせてみるのはどうだ?」


「ダメだ。会わせたところで答えは変わらない。」


「婚約者でなくても友達になれるかもしれんぞ。」


「娘に男の友達は必要ない。」


「私もユナの様な娘が欲しいのだ。」


本音を見せ始めてきたぞこの国王。しかもいつもならユナ嬢と呼びそうなところをユナと呼び捨てにしておるし、あの時挨拶なぞいかなければよかった。。。

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