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私に構わないで!悪役令嬢だから。  作者: あみーご
第2章 7歳・新しい出会い
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初めての王城

今日はこの国の第一王子が立太子されるらしくその記念パーティーがある。式典への参加は社交界デビューした者たちのみでその翌日王城の大広間で行われる記念パーティはお茶会デビューをしていない子供たちも参加できるとのことで、行くこととなったが正直行きたくはなかった。だがお父様が何故だか家族みんなで参加することを陛下に伝えたらしい。多分誕生日パーティーを拒否したからだとも思う、実質私の自業自得みたいなところはあるものの1日潰れるのはきついなぁ。1日あればいろいろなことが出来るし、貴族が面倒臭い事はお父様達


いつもの支度はサラン一人がやってくれるけれど、今日は他のメイド含め3人がかりで磨かれている。コルセットや派手なお化粧をするわけではないのでこんなに必要か?と疑問に思っていたが朝早くに起こされ、お風呂に入れられたりマッサージされたりまるでエステに来たかのような充実っぷり。7歳なので肌は綺麗なはずだが、終えた後のツルツルもちもち感はやってよかったと思えるほどだった。


今日のドレスは私が自分でデザインしたものを仕立て屋さんに渡した。お父様やお母様はフリフリのプリンセスラインのドレスが好きらしいが、私は断然エンパイアライン派なのだ。将来ウエディングドレスはエンパイアラインと決めていたほどだ。ただ、前世では割とメジャーだったエンパイアラインは今世では新しいらしい。私がデザインがを渡した時仕立て屋さんは驚いていた。普通の7歳児は女の子らしいレースのドレスが主流で私はゴテゴテした飾りの一切ない水色のシンプルなドレスをお願いした。出来るだけ普段着ているワンピースに近しいものにして欲しいと頼んだ。


小さい時はただでさえ丸いのに丸いドレスを着るとより一層丸く見えるのだ、昨年まで我儘体型だった私が言うのもどうかと思うが。後あまりに布やレースが多いと重くて料理をお腹いっぱい食べれない。我が家のシェフたちの腕はよく食事も美味しいが、王宮と言ったら一級品が並ぶはず。恐らくまた機会は来るはずだが、美味しいものは人生を豊かにすると思っている私からすればこの」機会を逃すわけにはいかない。前世の教訓でいつ何が起こるか分からないし。


自分の顔を私生活で意識する事は全くと言ってないが、今着飾った自分を鏡で見ていると両親の良いところを総取りしたかの如く美少女がいる。紛れもなく自分なはずだがすっぴんでも血色がよくくっきりとした顔立ちは前世の自分とはかけ離れている。


サランから完成したとの声がけを受け、身支度に気合を入れて磨いてくれた3人にお礼を言った。


「みんなありがとね」


何だか自分に見惚れていたことが恥ずかしくて上目遣いでチラッと目を合わせ俯いてしまった。もしかしたら感じ悪いと思っているかもしれないけれど、顔の熱さがわかるので顔を確認できない。


ユナは心配しているが、一方のメイドたちはユナの上目遣いとその目元が赤いのに気づいており可愛さを噛み締めていた。


支度が終わりまだ時間があったので、心を落ち着かせようとサランに紅茶をお願いした。紅茶を入れてもらう時はお茶菓子も一緒に食べるが今日はなるべくお腹を開けておきたくてやめておいた。紅茶を飲んで一息ついていたらお父様とお母様がわざわざ迎えに来てくれた。


「ユナ、支度は終わったかしら?」


「はい。お母様!紅茶で一息ついていたところでした。」


「ユナ〜!今日は一段と可愛いなぁ」


毎度お馴染みの台詞を投げかけてくるお父様は私に抱きつこうとしてお母様に止められている。


「今日は控えてください。」

「髪のセットや身支度にどれだけ手間がかかっているか。。。」


お母様は呆れながらお父様に投げかけた。


「それなら、手を繋いで行こう!ユナ!」

「抱っこがダメなら手を繋ぐのは良いよな?!」


私はお父様とお母様の温度差を感じながら、お父様が少しかわいそうだったので手を繋いだ。するとしゅんとしていたはずのお父様はたちまち笑顔になった。少し意地悪をして手を離そうとも思ったけれど面倒くさくなる予感がしたので辞めた。賢明な判断だったと思う、駄々を捏ねて遅刻でもしたらそれこそお母様の雷が落ちる。私は一度もまだ怒られてはいないけれど家族で一番怖いと思う。


お兄様はすでに王城にいる為リントを部屋まで迎えに行き、馬車に乗り込み王城へ向かった。我が家から王城までは15分だが屋敷の玄関から門まで30分ほどかかる。屋敷の門と王城の門の方が屋敷の玄関より近いと言うのはおかしな話だが王城の門と会場である大広間でも30分ほどかかると言うのだからよくあることなのだろう。


家を出てからすぐに王城が見える、何と言う近さ。それはともかく城全体が白い、降ったばかりの雪ぐらい白い。どうやって掃除してるんだろう。あの白さを保つのは不可能に近いと思うのだけど。やっぱり魔法かな?水魔法とか?


「ユナ。もうすぐ着くから」

「それと、私達は貴族の中では一番最後に入場するの、だからみんなから注目されると思うけれど笑顔を作っとけば何とかなるわ。」


お母様は何故かもう目的地目前というところで要らぬプレッシャーをかけてきた。早めに言ってくれれば心の持ち用があったが緊張してきてしまった。大広間に向かう途中にお兄様も合流した。とまあ、大広間の扉の前までは猶予があるのでそれまでにどうにか収まれば何とかなる。


「お姉ちゃん。大丈夫?」


緊張真っ只中リントが天使の笑顔で心配して手を握ってくれた。


「大丈夫だよ!美味しい料理のことを考えていただけだから!」


リントも若干呆れてはいたがそれより料理の方に思考が飛んだ。その後入場の許可が出て、何の緊張もなくそしてまだ見ぬ料理たちに心を踊らせて入場した。後々笑顔で入場できたか心配になったがその心配はないとお兄様が教えてくれた。



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