表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/171

【八十一話】ダンスパーティー当日

毎日更新を目指しつつ、隔日になってしまう事もあり、

申し訳ありません! そろそろクライマックスに入りそう?

なので、なんとか駆け抜けたいと思います!



 鏡の前には真っ赤なドレスを着込んだ悪女? が微笑んでいた。

 というか私だけど。



 朝から湯浴みをしたり、髪を上げたり大忙しだった。

 ダンスパーティー当日。



 第二王子様から届いた薔薇を髪に飾り付けていく。

 長い髪を耳の後ろ辺りで纏めて、片方の肩に下ろして行くのだけど、その下ろした髪にも花を編み込んでいく。



 いやー。

 前世でいうと結婚式のお色直し風な華やかさだ。



 着飾ると気持ちが上がるわね。

 ちょっとだけ楽しみにすらなって来たわ。



 準備万端整った所で、ノック音が響く。

 手筈通りセイが来たのだろう。



 セイが入って来ると、メイド達は入れ違いのように下がって行く。

 鏡越しにセイと目が合って笑った。



「早いじゃないの?」


「一応ね」



 彼は式典用の近衛の制服を着ている。式典用は肩や胸に金色の飾りがふんだんに使われている。勲章とか貰っていると、こういう時は胸に付けたりする。



 セイは付いてませんよ。

 付いているのは将軍とかよね?



 しかしーー

 マジ似合うわね。

 近衛の制服。



 近衛での参加ということは、今日は本名を知ることが出来そうね?

 というか皆は知ってる訳ね。



 私も、バッチリ聞けるわ。

 ふふん。



 素性を知っている影は影に有らず。

 弱味を握ったも同然ね!



 何故か鼻息を荒くして勝ち誇った。

 こういう所が悪役令嬢っぽいったらない。



「お前、化粧するとマジ悪そうだな?」


「何ですって」




 こういう時は、嘘でも「綺麗ですね」とか「可愛いですね」とか言うものよ。

 貴族失格。



 しかしさ、メイドもなんでこんなに濃いルージュを引くかな。

 頬紅もね。



 もうちょっとナチュラルにして欲しいとお願いしたのだけど、似合いませんだとか、ドレスに負けてしまうとか。



 そういう感じで押し切られてしまったのだ。

 まあ、こんだけ盛ると目立つって話だよね。



 私がさ、王子様だったら、こういう令嬢は誘わないわよね? ダンスに。

 いかにも結婚したら尻に敷かれそうだし、かかあ天下になりそうだし。



 私はくるりと回ってみる。

 ダンスを踊っている時のイメージだ。



 スカートが綺麗なシルエットで開くかどうか?

 鏡の前で試して見たけど、割りと良い感じ。



「どう? セイ、ダンスに誘いたくなった?」


「…………」



 冗談で聞いたのに、セイはだんまり。

 いや、普通に冗談でテンポ良く返そうよ?



 これから何をやるか分かってるんでしょ?

 だったら乗ってよね?



 言った私が恥ずかしいじゃない。



 セイは私にそっと手を差し出す。

 エスコートしてくれるのだ。




 これから()の令嬢の所に。

 この正装で顔を出す。




 どんな顔をするかしらね。

 ティアナ・オールディス。



 本音をあぶり出してやる。

 悪役令嬢の本領発揮だ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ