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【七十六話】二人の世界??

昨日は一日空いてしまいました…。





 ベッドに座りながら、なんだか甘い空気になっていた。

 これが二人の世界というやつか?



 何事も経験ね……。

 しげしげ感じ入っていると、ルーファスは目線だけを続きの間に移す。



 む?

 彼、二人の世界に入ってなくない?



 めちゃくちゃ周りの気配に気を配っているじゃない?



「セイか?」


「はい」



 ルーファスは私の髪を少し整えると、立たせて繋ぎの間までエスコートしてくれる。



 二人で何食わぬ顔をして、ソファーに腰を掛ける。

 いやー。

 ポーカーフェイスを作りながら、ちょっと笑っちゃいそうなんですけど。



 だって、相手は影のセイだよ?

 なんか色々バレてそうで、恥ずかしいのに、二人して何事もなかったように澄ましてるっていうのが笑えるのよ?




 私は笑いを堪えながら、背筋を伸ばして座ってみた。

 ヤバイ。



 セイの顔を見たら吹き出しそうだわ。



「入れ」



 大分間を置いてから、ルーファスが指示する。



 恭しく入って来たセイは膝を着いて、王族への礼を取る。

 私の方は、チラとも見ない。



 しかも、あいつ近衛の制服着ているわ。

 ちぃ。

 そっちが本職かい。



 つーか、表の顔なのかしらね。

 まあ、表の身分も無きゃ不便よね?



 それが故に、天井から登場とは行かなかったのかしら?

 イヤ、登場されても困るけど。



 セイと言えば天井というのが、十八番だからなー。

 私は白い近衛の制服を纏ったセイが新鮮でジっと見ていた。



 似合うわね?

 髪が黒いせいか、白の制服によく映える。



 制服を着ると二割増し格好良いって奴じゃない?

 制服補正ね。



 まあ、普段から造形は整っているのだが。

 いつもは全身真っ黒で、髪も黒いから、まあトータルで黒いこと黒いこと。



「ティアナ・オールディス元公爵子女、西塔にて監禁しています。こちらが聞くまでもなく、一連のミシェール・カールトン公爵令嬢殺人未遂の件、全て自供しました」




 え?

 私は二つの意味で「?」となった。



 一つは「()公爵子女」と言ったところで、もう一つは「全て自供した」というところ。



 え?

 全ての刺客はティアナが命じていたというの?



 私と同じ所が気になったのか、ルーファスがセイに詰問する。 



「事前に除籍していたのか?」


「はい、立ち会い人を設けた、正式な除名証をオールディス公爵がお持ちでした。日付は一ヶ月前です」



 事後じゃなくて事前に除籍してたんだ……。

 しっかり計画したものだったのね?



 私はスウスウハァーと落ち着くために深呼吸をした。



 殺され掛けたのは二回だ。



 落馬と。

 絞殺。



 落馬がより一番酷い結果だった。

 今回の毒は入れなくて良いわよね?



 だって飲んでないものね。

あれはノーカウントにするとして、ティアナの罪状はどうなるのかしら?



 当然、裁判に掛けるのだろうけど……。

 扱いは庶民になるのね?




 私は言葉にならない不安が、迫り上がってくるのを感じていた。



 みんなそうだよね?



 ルーファスも。

 セイも。



 感じるでしょ?

 言いようのない不安を。





誤字脱字報告ありがとうございます!

いつも送って頂いて、とても助かります!


前話を少し改稿しました!

(お話はまったく変わっていませんので、

 そのまま読み進めて大丈夫です)


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