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【四十四話】王宮の天井の中

気になります



 気になる……。

 めちゃくちゃ気になるんですけど……。



 第二王子様の居住区はまだ公にされていないけれど、もろもろの準備があるため、王宮内部の人は知っているし、本人も知っている。



 というか予測通りと言うか……。

 中央の宮が王妃様と陛下の居住区。

 東の宮が第一王子様の居住区。



 となると第二王子様は必然的に北東の居住区となるのだろうか?



 北北は側妃様方の居住になるし、西は第四側妃様が王子様方と居住している。



 西の方が陛下を挟み、左右に展開され、右腕と左腕になりそうなのだが、日の出と落日の問題で、東方面が王太子様、並びに第二王子様の居住区になるのが習わしだ。



 更に、利便性の問題で同腹の兄弟の居住区は離さない。

 特に陛下を挟んで対立の位置は避けられる。



 王太子様が即位された暁には、片腕となるのが実弟殿下になる。

王と王弟は、力を合わせて王家を支えるというのが、王妃様のお考えだし、アッシュベリー王国の方針だ。




 故に兄弟の居住区は不便では無い程度に近いのだ。

 という訳で、多分? 私は北東の宮に入ったのではないかと思う。



 ではないかと思う?

 とは曖昧な表現だが……。



 入ったの初めてだしね!

 庭とは違う分けよ、庭とは。



 めっちゃ警備が厳重だし、そもそもお気軽に入れる場所ではない。

 王族のプライベート空間なので、親族くらいしか入る事が出来ない場所だ。



 一気に女性比率が上がる。

 ただ、完全な男子禁制を取っているのは、北北の宮だけとなる。

 ここは王族と言えども自由に出入り出来る訳ではない。




 北北の宮への渡り通路は一本しかないし、陛下以外の男性が入る事は出来ない。

 いわゆる姦通防止措置なのだろう。



 そうでなければ、陛下の御子様だと確実に証明されない訳だ。

では、王妃様と第四側妃様も最奥の北北の宮の方が安全なのでは?

 と考えられるが、そこは多分、姦通罪よりも違うものが優先されているのだと思う。



 いわゆる毒殺とか暗殺とか、そういう類いのものを防止する為、女性しかいない最奥の宮ではなく、中奥、つまり一番警備が硬い、中央の宮に居住している。



 側妃様というのは、姦通罪防止が優先され、王妃様並びに王子様王女様については御命を守ることが優先される。



 身も蓋もない事を言うと、そういう事よね?

 分かりやすいわよね。




 そして私が今、とてつもなく気にしているのは、この王宮の一室の天井だ。

 天蓋付きのベッドが置いてある寝室と、その隣の応接間の二間の続き部屋が与えられた。



 というか問答無用で案内された。

 しつこいようだが、多分北東の宮。



 北東の宮と一口に言っても、結構な大きさなのだ。

 第二王子様がどの部屋に居住しているか分からないくらいには大きい。



 第二王子様付きの者達全ての部屋があるわけだしね。

 側近のブレッドやら、専属メイドやら。




 そして天井だ。

 問題の天井。



 だって、別れ際に第二王子様が言ったのよ?

 「影を一人付ける」って。



 影ーー。

 隠密。

 お庭番?



 マジでか!

 四六時中、影から、私を見てる!




 影と言えば天井でしょ?

 そうなんでしょ?



 だから私はじーっと、もう穴が空くほど、天井を見ていたのだ。

 

 


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