表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/171

【四十二話】夕日の先に

もちろん痺れますよね?

 あれから私達は手を繋ぎながら王宮の庭を散歩した。まあ、特には何も話さなかったのだけど。

 聞きたいことは沢山あったし、言いたい事も沢山あったのだが……、私は白魔法執行後だった為か、少し胸がいっぱいだったというか……。

 いや、いっぱいにもなるよね? だってね!

 言い訳みたいになってしまうが、白魔法を掛けられると、何とも言えない心地良さに包まれてしまうのだ。もうあれさ? 癒やしの水? というか羊水?


 どこまで遡れば適切に現せるんだろう? とにもかくにも虚脱状態というか。

 ボンヤリして何も手に着かないというか。

 夕日のオレンジ色ばかりが目に入り、綺麗な色だなとか。夕暮れの風が心地良いなとか。


 その中で、ルーファスの手から伝わる温度を感じていたというか……。

 彼を見る度に、何度も何度もあの感覚がフラッシュバックするのだ。

 あの感覚というのは、言わずもがな白魔法の執行感覚だ。体の中が疼くような。くすぐったいような。


 確信したわ。彼と会う度に思い出す。そして恥ずかしさと居たたまれなさで、悶えるわね? まあ、確実よ。


 その後、別れ際になって、「じゃあ」となるはずだったのに、第二王子様がとんでもない事を言い出したのだ。

 いや、まあ、彼の中では色々段取ってはいたのだろうが、私は思ってもみなかったのだ。

 正に、寝耳に水。忙しいわね? 昨日も今日も。

 彼は当然のように言ったのだ。


「殺されかけた家に帰るとかないですよね?」


 部屋に入られたという事は、セキュリティが甘い訳で、昨日あったことは、対策を講じてない限り、今日もあるだろうと。馬小屋ならまだしも、屋敷内に入られた訳だから、公爵家は信用出来ない。何の為にプロポーズをしたと思っているのだ。とまで……。


 プロポーズって、そういう理由?

 そういう事情があって、意図的にこのタイミングでしたんですね!

 さすが第二王子様。そつが無い上に行動力がお有りで。

 毎度思いますが第二王子様、そこら辺は包み隠さず言わなくても良いのではないでしょうか?

 甘い気持ちとか吹っ飛ばしたいんですか?自分で吹っ飛ばすとか、ないわー。

 なんすかそのビジネスライク。計算ずくとか見せないで下さいよ。少しは隠してー。


 この胸いっぱいになってしまった、私の気持ちを返して下さい! 手は繋いだままですけどね?

 というわけで、王宮内に部屋を用意したからと言われました。

 引っ越しですか? 急ですよね?


誤字脱字報告ありがとうごさいます。

助かります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ