【二十九話】精霊王ウンディーネ
評価、ブックマークをして頂きありがとうございます。
こつこつと書いて行ければと思います。
ロマンチックね。私は初めて見る、精霊術にうっとりとしていた。
四大精霊は、
火を司るサラマンダー。
水を司るウンディーネ。
土を司るノーム。
風を司るシルフ。
となる。
水の精霊王ウンディーネ。さすが海洋王国フィラルというだけの事はある。
その国名で炎を司るサラマンダーだったら驚くわ。
第二王子であるルーファスが唱えた呪文の初句はーー
『我が血に繋ぐ者ーー』
もちろん全句暗記させて頂きました。
大概の読書好きはファンタジーに弱いのよね。
ついグラッと来ちゃう。もちろん私も来ちゃったわけ。
我が血と言っているのだから、これはもうフィラル王家に脈々と受け継がれし、血統という事なのだと思う。王族の中で、血筋をベースに偶発的に発現するのかしら?
第二王子であるルーファスの母上は海洋国フィラルの王族。
フィラル国王陛下の妹君に当たる訳だ。
フィラル国王陛下が精霊術を顕現させているのだから、ルーファスが顕現させてもおかしくはない。
むしろ妹君を他国に嫁がせたことに驚くが……。
まあその辺の事情は何か入り組んだものがありそうではあるが、一介の令嬢は知る由もない。
王家の血そのものに、精霊王ウンディーネとの繋がりがある証明。
普通に考えれば、建国王との何かしらの契約があるのだろう。
海洋王国フィラルの建国物語が読んでみたくなったわー。
十中八九精霊王ウンディーネが深く関わっているんでしょうね……。
今すぐ読みたくてうずうずしている。
ここは王宮図書館だし、我がアッシュベリー王国王妃陛下は海洋王国フィラルのご出身。
絶対にあるわ。建国語り。必ず帰りに借りましょう。
貸し出し禁止なら、短時間で読破するわ。
『妖精の書』に記された、ウンディーネという水の精霊王は、基本、姿を顕現させる時、女体を取ると言われている。つまり、精霊に厳密な性別はないのだが、女性を象っている訳だ。
妖精の書だけではなく、ギリシャ神話なども、水の精は女性である事が多い。
まあ、水イコール癒やしっていうイメージがあるのかしらね?
そしてウンディーネという精霊王は、その美しさからか人間の男と恋に落ちることがしばしばあるのだとか。フィラルの建国王と恋に落ちてたら素敵じゃない?
人間界に子を残すこともあるというから、もしかしてーー
私はうっとりとルーファスの真珠色の髪を見た。
ウンディーネは七色の光を纏うって言うのよ?
彼の髪は、もしかしなくとも光の当たり加減で七色に輝くことはないだろうか?
あれって精霊王の血じゃね? そうじゃね? 精霊王の子孫??