【二十八話】古(いにしえ)の魔法2
昨日の投稿は間に合いませんでした…。
週に四~五回の投稿を目指して頑張ります。
第二王子ことルーファスはニヤニヤしながら血判状を見ていた。
血液の一部が手に入ったことが、余程嬉しかったのだろうなと思う。
魔法発動の条件が血だというのなら、それは彼に取ってはとても重要な物なのでしょうよ。
しかしニヤニヤはなー。あからさまに勝ったみたいな顔もさー。少し控えたいよね?
サインというのは、往々にして手に入りやすいのだが、血はね……。
そんなに出会いはない。
ファンタジーの世界とかはさ、白魔法的なものを発動する時、血って使わなくない?
使わないよね?
聖女みたいな人がさ、傷口に手を翳すと柔らかい光が発光して、見る見る回復……という流れが一般的かなと思う?
まあ単なるイメージなのかも知れないが………。
真名と血……。
これ、伝説の黒魔法か!? って突っ込みたくなる材料なんですけど。
血で魔法陣を描いたり、もしくは真名で召喚獣を縛ったり。
なにゆえ回復魔法の使い手である、第二王子が、真名と血を欲するのだろう?
そもそも、この場面で回復魔法の出番なくね?
大けがしている人がいるわけじゃないし?
毒を摂取した際に、助けるとかそういうこと?
だから安心してお食べ? みたいな。
でもさ、嫌がらせ? なのだから、回復魔法をチラつかせて食べさせるというのはセオリーに反する。苦しい、苦しい、助けてくれー。となった時に、回復手段がと登場するから面白いのだ。
このタイミングで、回復魔法出来るよ? と宣言するのは効果ダダ下がりなのよ。
第二王子がやるとも思えないわ。
彼ってどこか嗜虐的なとこあるじゃない?
順番を間違えるとも思えないのよね。
というわけで……。
回復魔法を、どうやって使うわけよ?
ってな話だ。でも聞けない。この空気の中、そんな疑問は口に出せない。
というか、聞かなくても、王子直々に講義してくれそうだしね。
王子は書類というか、血判状を目の高さにして、手を翳している。
「我が血に繋ぐ者。精霊王ウンディーネよ。古の契約により、その力を我に与え力を示せ。解析開始」
王子のその声と共に、血判状に押された、四つの血印が浮かび上がり、それぞれ別の形をした魔法陣になる。 私は目を瞠る。
血で押された拇印が、浮き上がって紅い光を放ちながら魔法陣に変化しましたよ。
魔法だ! 間近で見ちゃったよ。人生初体験。
ウンディーネと言ってたわよね。
四大精霊の超大物、水を司るウンディーネだわ。
回復魔法というのはウンディーネの力によるものだったのね。
ウンディーネというのは言わずと知れた、火、水、土、風の四つの元素に住まう精霊の水に当たる。魔法とは精霊術の事だったんだ。大きな謎が一つ解けました。
私は初めて見る魔法と、その煌びやかさに、大興奮していた。
いやー。前世が日本人なら興奮するよね!
ええ、一人だけ場違いな表情をしていたのは否めません。
いつもお読み頂きありがとうございます。
読んで頂ける読者の方々がいることが、執筆の励みになります。
もし、ブックマークをして頂いた方の中で、評価をしていない方がいらっしゃいましたら、入れて頂けると嬉しいです。
まだ、ブックマークをしていない方の中で、少しでも継続して読みたいと思って頂けましたら、ブックマークをして頂けるとモチベーションが上がります。
宜しくお願いします。