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【二十五話】令息の包囲網2

七年前でしたね

 私達は図書館のテラス席を抜け、今の時間は人もあまりいない噴水前に移動していた。

 食事を取ることが出来る円卓が幾つか置かれている。

 その一つに、私と第二王子のルーファスは座っていた。

 令息連中は、床で土下座をしています。

 王族の前とはいえ、有り得ない絵面だわ。

 足元が無駄に緊張するったら。


 ルーファスは激しく怒っている。

 何か取り付く島がないというか、どうしようね?

 責任とってくれないそこの品のない令息方。


 私が転ぶ寸前に助けてくれたのは、第二王子のルーファス。

 まあ、彼の居城敷地にありますから。王立図書館って。

 近い訳。可能性としては高いかな。


 だからって第一王子とか第三王子とか第四王子とかが助けてくれる分けではない。

 第二王子の側近的な方が知らせに走ってくれたんだと思う。

 側近的というか、正に側近そのものなのですが、ルーファスの後ろに控えている。

 あれは陛下の右腕である現宰相の令息ブレット・エイデン。

 いわゆる第二王子様の親友です。


 彼には兄もいるのだが、兄は第一王子様の側近をしている。

 エイデン家って凄いわよね。尊敬しちゃうわ。

 エイデン家の正妻の息子は確か三人。

 第三王子、第四王子の側近周りも気になるわー。


「どうしようか? ブレット。この不敬千万な輩は?」


 先程から一言も発していなかったルーファスがしゃべり出しましたよ。

 声がいつもより低いです。

 国民周知の見目麗しい王子はどこに散歩に行かれたのかしらね?

 遠くかしら?


「ゴミはゴミ箱に入れるのもですからね。やはり手っ取り早く土に還って頂くのが自然の理ではないでしょうか?」

「ああ、それが良いか。ちょっと面白みにかけるけど、害が無い分安全とも言えるし」


 ブレット怖っ。

 表情がピクリとも動かないのに、言う言葉が凍土。


「しかし、噴水が血で穢れるのもねー。エレガントとは言えないよね? ご婦人の前でもあるし?」


 ご婦人!?

 私のことでオッケー?


「あのね、ルーファス様」

「なんだい、愛しいミシェール」


 ちょっとコケそうになった。なんだ愛しいミシェールって。

 二人きりの時は、そんな呼び方しないのにね。

 よう、悪役令嬢? ってな感じなのにーっ。

他人の前だと、甘ーい雰囲気なのね。ちょっとグラッと来ましたよ?

 まあ私もこの雰囲気に乗らせてもらいます。


「わたくし、最近身辺が物騒なのよ? 落馬をしたり、他にも命を狙われたり? 怖くて怖くて堪らないの」


 そう言って、ルーファスの袖に手を添える。可愛らしい令嬢に見えるかしら?


「もしかしたら、ここにいる令息方が………」


 私は態とらしく、足元に土下座している令息方に視線を落とす。

 令息方は真っ青になって首を横に振っている。

 分かってるわよ、あんた達じゃないのは。

 でもタイミングが良いから一応ね。

 面白いから、振ってみただけよ。

 第二王子の婚約者であり、公爵令嬢である私の肩を押したのよ?

 許せないじゃない。


 ………アレーー?

 私、めっちゃ悪役令嬢スイッチ入ってない?

 立場を利用した憎々しい物言い。

 男に甘えて権力を笠に着る手口。

 酷い。

 これはあまりにも酷い悪役令嬢回路だ。

 ミシェールが全開になってますよ。

 悪役令嬢スイッチが止まりません。

 どうしましょう?(棒読み)






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